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朝日読むと目につく「韓国ヨイショ」記事 慰安婦報道以外も

 新聞名を隠して読んでもらい、「どこの国の新聞か?」と尋ねたら、「韓国紙だ」と答える人もいるかもしれない。朝日新聞を読んでいると、慰安婦報道だけでなく、さまざまな「韓国ヨイショ」の記事が目につくのだ。

 2005年3月25日付の「日本と韓国 二人の首脳に言いたい」と題された社説は、典型的な例である。記事では、当時の盧武鉉大統領が「竹島の日」制定や教科書問題で「外交戦争もありうる」と日本政府を激しく非難していると述べながら、小泉純一郎首相(当時)にこう提言する。

〈なぜ、(韓国の)大統領がそうまで語るに至ったのかを考えてみなければならない〉

〈だんまりを決め込むのでなく、丁寧なメッセージを韓国へ向けて発すべきである〉

 この社説は見出しに「二人の首脳に言いたい」と掲げているが、小泉首相を一方的に非難するだけで、盧大統領に対する注文はどこにもない。それどころか、盧大統領に成り代わって小泉首相を諭しているのだ。

 朝日の場合、こういった韓国寄りの社説は枚挙にいとまがない。

 2013年4月28日付の社説「日本と韓国 向き合い、信頼きずけ」では、安倍政権誕生後の初の日韓外相会談が取りやめになったのは、当時の麻生副総理をはじめとする国会議員168人が靖国神社を参拝したからであり、外交戦略に欠けていると非難している。

 しかし、今年の終戦記念日のように安倍首相が参拝を控えたからといって、韓国が大人しくなったわけではない。そもそも、今の日韓関係悪化は、2012年8月の李明博大統領の竹島上陸と天皇への謝罪要求発言に端を発し、2013年2月に後を引き継いだ朴槿恵政権が露骨な反日姿勢を示したことが最大の原因だ。そこには触れず、靖国参拝が原因と日本側を責め立てるのだ。

 その朝日が珍しく日本の政権与党を褒め称えたことがある。2009年に民主党の鳩山政権が誕生したときのことだ。

 2009年10月10日付の社説「日本と韓国 歴史を直視して、前へ」では、日韓首脳会談で鳩山由紀夫首相が、アジアでの植民地支配や侵略への深い反省を表明した「村山談話」を重視したことを絶賛し、こう書く。

〈この地域の近現代の歴史をどう見るのか、戦後の日本は何を反省し、教訓としているのか。鳩山首相には常にそこを意識し、一貫した発信に心がけてもらいたい〉

 この頃はまさか自分たちが、「歴史を直視」させられ、32年前の慰安婦虚報で謝罪することになるとは思いもよらなかっただろう。

※SAPIO2014年11月号

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