スポーツ

篠塚和典 頭脳的で華麗なゲッツーほど痛快なプレーなかった

「最強の二遊間」について語る篠塚和典氏

 打撃だけでなく華麗な守備で鳴らし、野球の天才といわれた篠塚和典(※1992年までの登録名は利夫)氏は、ダイヤモンドグラブ賞獲得4回を数える。1980年代の読売巨人軍を代表する二塁手だった篠塚氏が、河埜(こうの)和正氏とのコンビで日本中をうならせた、華麗なゲッツーについて語った。

 * * *
 二塁手をやるようになったのは巨人に入団してから。高校時代まで遊撃手だったのでかなり戸惑いました。動きが逆だし、とにかく地味なポジションでしたから、最初はやりたくないと思っていました(笑い)。でも走者をかわしながら送球したり、緩いゴロでのダブルプレーなど、ファンを沸かせるプレーができるようになって、二塁手が面白くなっていきましたね。

 二遊間の最大の見せ場はダブルプレーです。確実に、そして華麗に2つのアウトを一気に取るのが、いい二遊間の判断基準になると思います。ノーアウト一塁がツーアウトランナーなしとなり、相手のチャンスを一気に潰すことができる。相手にとってダメージは大きく、こんな痛快なことはありませんからね。だから守っている時は、相手打者に「塁に出てくれよ」と祈っていました(笑い)。

 二遊間は投手との関係も大切です。ゲッツーが取れる場面で、投手が初球から内野ゴロになる確率の低い高めのボールを投げたりすると、守っている方がシラけてしまう。ワンバウンドならまだしも、投手が高めばかり投げているようだと、内野手もやる気がなくなります。

「センターラインで野球をする」というのはバッテリーと二遊間で頭脳的にゲッツーを取ることも含まれていると思う。バッテリーの「なんとしてもゲッツーを取りたい」という雰囲気が、華麗な内野手のダブルプレーを生むのです。

 緩い遊ゴロの場合、走者が二塁ベースに近づいているので交錯プレーになりやすい。送球がどの位置に来るかを確認しながら、走者のスライディングも計算する。それをかわしながら一塁に強い球を投げる。イメージ通りにゲッツーが取れた時はガッツポーズが自然に出た。

 僕は河埜和正さんとのコンビが多かったが、盗塁やゲッツーでどっちがベースカバーに入るかはアイコンタクトでした。右打者か左打者かでも違うし、捕手が内角と外角のどっちに構えたかで打球の方向もだいたいわかります。河埜さんとは阿吽の呼吸で守っていました。

関連キーワード

トピックス

鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン