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両陛下のパラオご訪問 宿泊船内に緊急手術設備増設されていた

 4月8日、パラオの地を踏まれた天皇皇后両陛下。翌9日にはペリリュー島の『西太平洋戦没者の碑』の前で、波の音だけが鳴り響く中、日本から持参された白菊を献花され、深々と頭を下げ、約10秒間、黙とうを捧げられた。

 この両陛下の姿に、生き残った元日本軍兵士は、「死んだ戦友も感謝していると思う。戦後70年のこの日を忘れることは決してない」と大粒の涙を流した。1泊2日の超強行スケジュールだった今回のパラオご訪問。

「口には出されないけれど、(両陛下は)大変お疲れになったとお見受けする。少しでもお休みいただくようお願いした」

 定例会見で、風岡典之宮内庁長官(68才)は帰国後の両陛下のご体調について、こう明かした。ご出発の1か月ほど前の3月中旬から風邪を引かれていたという両陛下。

「両陛下とも微熱や咳、鼻水といった症状を訴えられていました。3月下旬に予定されていた御料牧場でのご静養もお取りやめになって御所でお休みになられたり、4月3日の神武天皇祭皇霊殿の儀の拝礼も中止されるなど、パラオ訪問に向けて体調管理は念入りに行われていました。しかし、それでも風邪が治らぬままのパラオ入りとなってしまったんです。やはりおふたりともご高齢ですから、免疫力が落ちているようです」(宮内庁関係者)

 ご体調が万全でない中での旅。特に周囲が気がかりだったのが美智子さまのご様子だ。例えば、ヘリコプターでペリリュー島に到着したとき。

「ヘリからタラップを降りられる際、美智子さまは陛下に手をつないでもらわなければ、降りられないほどで、とてもゆっくりで、足下がおぼつかない様子でした。また、旅の間、美智子さまは咳き込まれることが多かったとも聞いております」(同行した皇室記者)

 4月8日夜の歓迎の晩餐会では、こんなシーンが…。

「陛下がお言葉を述べられるために立ち上がられると、美智子さまも一緒に席を立とうとされたのですが、お立ちになれず、周囲の人々はハッとしていました。結局、美智子さまは陛下に目で合図され、そのまま着席したまま陛下の言葉を聞かれていました。“美智子さまのご体調は相当悪いんだな”という印象を受けました」(前出・同行した皇室記者)

 今回、両陛下が宿泊されたのはホテルではなく、海上保安庁巡視船『あきつしま』。これは移動時間の短縮、移動の負担の軽減を考えた措置だった。

「両陛下は船の医務室で痛み止めなのか、点滴を受けられながら、晩餐会や慰霊、地元の人々との交流に臨まれていたと聞いております」(別の宮内庁関係者)

 さらに体調不良の両陛下を苦しめたのは気候だった。

「両陛下が出発された日、日本は真冬のような厳しい寒さでした。しかし、パラオは真夏のような暑さで、その寒暖差は体感で30℃以上あったそうです。この寒暖差はご高齢の両陛下には堪えたと思いますよ…」(前出・同行した皇室記者)

 やはりこの過酷な環境下での旅。宮内庁としても不安は大きかったようだ。

「両陛下が泊まられた船は急遽、各所に手すりを付けたり、一部の階段をスロープ化するなど改修も行われたようです。また船内には医務室はあるんですが、最先端の高度な医療行為が行える設備は備えられていなかったため、不測の事態に備えて、緊急用の手術設備も増設されたそうです」(前出・宮内庁関係者)

※女性セブン2015年4月30日号

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