東大生の48%が「子供の頃、リビングで勉強することが多かった」と答えたアンケートがマスコミで報じられるなど、「リビング学習」がブームに。
そんな世間の動向をみたハウスメーカーは、こぞってリビングに子供の学習道具などを置く棚を備えた間取りを提案し始めた。
しかしこの状況に対して、「リビングで勉強するのはいいけれど、そこに子供の物を置きっぱなしにするのは考えもの」と著書に『親の家の片付け 決定版』(小学館)などがある安東英子さんは言う。
リビングで勉強するには、学用品もリビングに持ってくることになる。勉強のたびに子供部屋から道具を持ってくるのは大変だから、リビングに置けば合理的だ、と考えがち。
「でもそれをすると、どこにでも自分の物を置いていいんだという意識を植えつけてしまうことになります」(安東さん。以下「」同様)
リビングはあくまでも家族が集まる場所。だから勉強が終わったら、学習道具は子供部屋に持っていき、片づける習慣を身につけさせる。
「小学1年生になったら子供部屋を用意して、自分の物は自分で管理させましょう。まだ早いということはありません」
責任を持たせることで、子供はしっかりとしていく。
「汚屋敷を片づけて子供に自分の物の管理を任せると、覇気がなかった子の目が生き生きしだしたケースを多く見てきました」
また、片づけは物事の段取りを考える訓練にもなる。整理整頓するには、何をどの順序で行うかを考えなければいけないからだ。
「仕事で段取りができないと、無駄な時間を使います。つまり仕事の効率が悪い人になってしまいます」
教科の勉強も大切だが、大人になって自力で生きていくためには、生活力があることも重要。そのための学習が片づけだといえるだろう。
※女性セブン2015年7月30日・8月6日号