モテ車を解説する「週刊ポスト」連載の「死ぬまで カーマニア宣言!」。今回は、女子人気が高いミニについて。これまでにクルマを40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(53)が、BMW製の「ミニ」について解説する。
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ご同輩諸君。美女は大概クルマに疎く、車名なんて知らないものだが、ほとんどの美女が知っていて、好感度も高いクルマがある。ミニだ。
ミニは英国生まれの小型車。1950年代末、貧乏なイギリス大衆のために設計された革命的なクルマだった。エンジンを横置きにして前輪を駆動するFFレイアウトは、いまや世界のほとんどのクルマが採用しているが、これはミニが始めたもの。おかげでごく小さい車体で大人4人が乗れる最低限のスペースを確保できた。これが元祖ミニである。
本邦の美女たちは、そんな歴史などつゆ知らず、ミニを見れば反射的に「カワイイ!」とのたまう。バブル期には、「街を走ってるクルマが全部ミニになればいいのに!」と語る美女が実在したほどである。実際日本での元祖ミニ人気は突出しており、1990年代のモデル末期には、生産台数の約半数が日本で売れていた。
近年は、さすがにその姿を見る機会も減っている。いまさら50年以上も前に設計された小型車を入手して、美女と温泉に繰り出そうというご同輩もいまい。美女も口では「カワイイ!」と言っても、乗るのは怖いとためらうはず。美女はなによりぶつかったら死にそうなクルマを嫌う。これから乗るならやはり、BMW製のミニだ。