「『あさが来た』で真っ先にツイッターのトレンドにきたのは、五代役のディーン・フジオカさんでした。あさに思いを寄せる理由が容姿に対してではなく、人間性や才覚に対してというシンデレラストーリーがなんとも小気味よい。巧妙に女心のツボを押さえていますよね。『花子とアン』では幼なじみの朝市、『カーネーション』では不倫相手の周防、『まれ』では修業先の息子・大輔、などのイケメンがヒロインの心の支えになりました。夫以外にちょっと気持ちが奪われる、なんて気持ちも味わえます」
それぞれを演じた窪田正孝(27才)、綾野剛(33才)、柳楽優弥(25才)も話題になりブレークした。コラムニストの今井舞さんはこう話す。
「イケメンが、“はい、イケメンでございます”って感じで出てこないからいいんです。民放のドラマだったら、シャワーシーンとかで上半身裸にしてうろうろ、みたいな出し方になっちゃうけど、朝ドラだと彼らもまたヒロインと一緒に成長する心の動きがわかるから、見入っちゃうんです」
毎朝15分×半年間。その濃密な放送時間が、視聴者とヒーローの距離を縮めている。朝ドラファンの42才女性はこう言う。
「ご近所をのぞき見している気分で、すごく臨場感があるんですよね。朝ドラのヒーローにハマるのは、“こんな旦那さんだったら”って、自分の夫になぞらえるからかしら。夫が医者なので、『梅ちゃん先生』(2012年)に出てきた、同僚で元カレの松岡先生(高橋光臣・33才)には“かっこいい~”と、思い入れも強かった。毎朝会うヒーローは、下手すれば夫よりも身近な異性。今は、新次郎さんや五代さんに会えるのが、近所のイケメンパパに会えるような朝のひそかな楽しみなんです」
※女性セブン2016年1月7・14日号