国内

現役会長が語るPTA事件簿 不倫が黙殺される理由など

「たかがPTA」とタカをくくっていると後々大変な目に……

 1億総活躍国民会議のメンバーでもあるタレントの菊池桃子さんが、〈入っても入らなくてもどちらでもいいはずなのに……〉と発言して物議をかもすなど、最近なにかと話題になっている全国公立小中学校のPTA。

 今年4月に都内某公立小学校のPTA会長に就任した近藤豊氏(仮名・43歳)が、PTA活動の実態と裏側について暴露する。

 * * *
 建前上は入退会自由の“任意ボランティア団体”でありながら、実際は「保護者の全員参加」が不文律となっているPTA。私がその会長に抜擢されたのは、校内の「選考委員会」に目を付けられたことがきっかけでした。

「選考委員会」とは、PTAの次期本部役員(会長・副会長・書記・会計)を選出する役員のスカウト専門部隊です。学校によって「指名委員」「推薦委員」と呼び名は異なりますが、PTAの“顔”となる会長以下、本部役員の選考、勧誘、推薦を主なミッションとしています。近ごろは、こうした任務に携わる委員を“PTAハンター”と呼ぶ向きもあるそうです。

 選考委員は毎年秋口になると、全保護者に無記名の「役員推薦用紙」を配布し、次期PTA本部役員の選出を開始します。ここで名前が上がった人には、選考委員による執拗な電話勧誘が繰り返され、時にはアポ無しの自宅訪問を受けることになります。

「○○さんは平日でも学校行事に積極的に参加する熱心なパパです!」と、見知らぬ保護者から“タレコミ”された私もその一人でした。上の娘が小学生だったころ、役員を経験していたことも推薦理由になったようです。

 その後、私は選考委員からの電話勧誘を断り続けましたが、ある日、業を煮やした委員たちが総出で自宅に押し掛けてきました。

「○○さんはママたちに評判が良いからぜひ!」
「頼り甲斐のある男性が入るとPTA活動が盛り上がるんです!」「ここまで言われて辞退するなら○○さんの評価はガタ落ちですよ」

 硬軟織り交ぜ候補者の心を揺さぶり、次第に断りにくい状況を作り出す彼女たちは、まるで絵画商法のセールスレディのようです。結局、私は彼女たちに押し切られ、「一期限り」という条件付きで、しぶしぶPTA会長を引き受けることになりました。

【PTA会長のメリットとデメリット】
 しぶしぶ、とは言うものの、PTA会長になろうという人間は、大なり小なり“スケベ心”を抱いているのも事実です。異性に対するスケベ心だけではなく、自身の仕事や商売へのメリットを計算し、会長を引き受ける方も少なくありません。

 特に、下町エリアではその傾向が顕著です。実際、私の地区にある小学校のPTA会長はすべて男性で、その8割は地元で商売を営む自営業者や会社経営者です。彼らは比較的、時間にも融通が利くので、地域の様々な会合に積極的に参加して顔と名前を売っています。「町会や自治会との繋がりを深め、将来的に区議会議員を目指す」という野心家もいました。

 中には、校長と懇ろになり、自身が会長を務める小学校の修繕工事を受注してしまった工務店の社長さんもいました。ところが、彼は工事が終わった途端、「一身上の都合」を理由にPTA会長を辞任。工費が少額だったため大騒動には至りませんでしたが、同じ学区内では今も語り草になっています。

 しかしながら、このように何かしらのメリットがなければ、PTA会長はまさに「骨折り損のくたびれ儲け」。サラリーマン会長の場合は更に悲惨で、PTA活動参加のために遅刻・早退を繰り返し、上司に最後通牒を突き付けられている人もいます。

 なお、私たち会長は名前と顔が広範囲に知れ渡っているため、地元での行動には慎重さが求められます。酔っ払って立ちションでもしようものなら犯罪者扱いは必至ですし、歩行中の信号無視や歩きタバコも当然、許されません。PTAは私的ボランテイア団体でありながら、その長は公人と同様の意識を求められるのです。

トピックス

人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン