国内

小池百合子氏 針路変更の巧みさでケンカに勝ってきた

小池都知事のケンカの作法は?(撮影■小倉雄一郎)

「これまでに見たことのない都政を皆さまがたとともに進めていきたい」──。新しい東京都知事に決まった小池百合子さん(64才)は、こう決意を口にした。

 自民党東京都連の意向に背いていち早く出馬を表明。所属する自民党からも支援されない孤立無縁の中で選挙戦に挑み、自民党と公明党が推薦した元総務大臣の増田寛也さん(64才)、野党4党の支援を受けたジャーナリストの鳥越俊太郎さん(76才)を見事に振り切った。彼女の勝因について、政治アナリストの伊藤惇夫さんは次のように分析する。

「小泉純一郎元首相が“自民党をぶっ壊す”と言ったように、小池さんも東京都連との対立の構図を作り、既得権益に敢然と立ち向かう姿勢を示して世論を味方につけた」

 元東京都知事の石原慎太郎さんに「大年増の厚化粧」と罵倒された時には、街頭演説で「今日は薄化粧で来ました」と切り返し、逆に“一本”取って話題を集めた。

「ブラックボックスだ」などと激しく批判してきた都議会とどう渡り合い、どんな政策を実現していくのか。そのヒントは彼女の来歴にあった。いくつもの政党を渡り歩き「政界渡り鳥」とも揶揄される彼女だが、実は出馬時に述べた「崖から飛び降りる」のは初めてではない。いくつもの岐路に立ち、そのたびに勝ってきたケンカの作法をつまびらかにする。

 政界入りのきっかけは、後に首相となる細川護熙さんに誘われたことだった。ちょうど日本新党を旗揚げしようとしていた時期で、当時の小池さんはテレビ東京系の看板ニュース番組『ワールドビジネスサテライト』のメーンキャスターを務めていた。細川さんが語る。

「マスコミ関係者の紹介で会い、“ぜひ一緒にやりましょう”ともちかけたら、彼女は二つ返事で引き受けてくれました。逡巡することもなく、テレビの仕事を捨てて、まだ海のものとも山のものともわからない政党に参加する覚悟を決めてくれた。今回の出馬もそうですが、なかなか政治的な勝負勘のいい人だと思います」

 1992年7月の参院選に日本新党から比例区で出馬し、当選。1993年7月の総選挙で衆議院に転じ、細川内閣で総務政務次官に就任した。だが、細川政権がわずか8か月で退陣すると、今度は当時新進党の党首だった小沢一郎さんと接近し、広報戦略のすべてを任されるようになる。

関連記事

トピックス

勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン