今年7月に行なわれる東京都議選で小池新党という台風の目が首都で巻き起こす旋風は、どれほどの破壊力を持つのか。本誌・週刊ポストがシミュレーションしてみる。
都議選の1人区(7選挙区)はこれまで衆院選小選挙区の縮図だった。自民党候補と民進党候補の事実上の一騎打ちで、多くの有権者はどちらかに投票するしかない。前々回都議選(2009年)は1人区で民主党が勝利し、前回(2013年)は自民党が全勝した。
だが、今回の都議選は1人区も「自民vs民進」の争いではなくなった。小池氏は1人区を“天王山”とみて千代田区に元秘書の直系候補を擁立するなど7選挙区で全勝をめざす構えで、小池新党候補が独占する可能性は十分ある。
都議選の前哨戦で小池百合子知事と“都議会のドン”内田茂都議の代理戦争と呼ばれた2月の千代田区長選で、応援に入った自民党の選挙スタッフを愕然とさせる光景があった。
大企業の本社が集まっている千代田区の票田は神田や神保町などの昔からの商店街で“どぶ板”選挙が行われることで知られる。
「小池氏を一番熱心に応援していたのが、都知事選では小池氏に距離を置いていた自民党婦人部の商店街のおかみさんたちだった。旦那衆は付き合いが深い内田さんとの関係から自民党候補を応援してくれたが、自民党の女性票はごっそり持って行かれた」
前回選挙では自民党陣営で支援者にお茶を出したり、運動員に仕出し弁当を配っていた婦人部隊が、いきなり鉢巻きを締めて“自民党ハンターイ”と声をあげ始めたのは自民党にとってゾッとする光景だろう。
※週刊ポスト2017年3月24・31日号