2011年に次男が、2015年に長女が生まれた。ジュン氏はどれほど遠方でイベントがあってもなるべく日帰りし、多忙な妻の家事や育児をサポートした。
幸せな日々が続く中、一抹の不安要素となったのが広末の精神面だ。
「もともと広末さんはメンタルが不安定なところがあり、若い頃はクラブに入り浸り、タクシーで長距離を無賃乗車するなどの“奇行”が報じられました。ジュンさんと出会い、落ち着くかと思ったけど芯の部分は変わらなかった。結婚後もしばしば、彼女の暗い一面が顔を出していたようです」(前出・広末の知人)
ジュン氏も会見で、若くして芸能界に入ったことが、広末の心を蝕んでいったという見立てを語った。
《想像するにいまよりも強烈なプレッシャーが、(略)真面目で優等生の彼女が全部何とか頑張って受け止めて、叶えようと必死になっていった先に心が壊れてしまったんじゃないかと思います》
心が壊れた広末は「豹変」するようになったという。
《過度なプレッシャーを受けたり理不尽なことにぶつかってしまった際、濃いメイクをしたり、派手な格好をして、眠ることができず、常に誰かと話さなければ心が収まらず、誰かに連絡したり会ったりして豹変してしまうんです。結婚してから何度かそういうことがありました》
心のバランスを失いかけた際、広末が頼ったのが異性だったという。広末は10代の頃から恋多き女性として知られ、柏原崇、伊勢谷友介、金子賢など当時の人気俳優らと次々に浮き名を流していた。
「もっと早く彼女を止めておけばよかった」
普段はメイクもせず、朝早く起きて子供たちのお弁当を作るが、ひとたび不安定になると派手な服を身にまとって濃い化粧をして、子供たちを残して夜の街に向かう。制御できない妻を夫は黙って見つめ続けた。別の顔を持つ広末は自分に異を唱える声を聞かず、豹変する彼女を諫める者もいなかった。
《彼女が不条理なことをしたときも事務所は黙って見守るしかできないと。特にぼくや彼女の事務所社長より大変だったのは、彼女の母親だったと思います。本来は親として叱るのが当然だと思うが、叱ることで彼女が遠ざかってしまうので、彼女に対してモノを言う人を彼女は遠ざけて、逃げてしまう》
だからこそ、ジュン氏もあえて奔放な妻に口を挟まず、不貞が発覚しても、自分の心の中にとどめてきた。それは妻と家族を愛するがゆえの行動だった。
しかし、そんな「聖人夫」の思いは届かず、広末は鳥羽氏のもとに走ってしまう。
不倫が報じられる前、広末が鳥羽氏に会うため夜中に家を空けるようになると、夫婦仲は冷え込み、広末は「離婚してほしい」とジュン氏に告げた。この頃は寝室も完全に別だった。そして「あなたが出て行ってくれれば、私が子供たちと一緒に寝れるから。あなたがいるから、私が寝れないんだ」とも言い放った。
夫婦の話し合いは平行線をたどり、あるとき、広末は子供たちのいるリビングに駆け込んでこう口にしたという。
「パパとママは離婚するけど、どっちと暮らしたい?」
思いがけない母の言葉に長男と次男は困惑しながらも母を選び、長女は泣き喚いた。当時の心境をジュン氏はこう語った。
《そのときに、どこか自分の心が崩壊してしまい、「もう自分が出て行くしかない」となり、荷物をまとめて家を出ました》
広末の行動は周囲の知るところとなり、不倫報道が出て、世の中が大騒ぎになった。それでも悪いのは妻ではなく、妻を止められなかった自分だとジュン氏は涙ながらに語る。
《もっと早く彼女を止めておけばよかった。もっと早く鳥羽氏の自宅に行っていればよかった。メディアより先に止めることができていれば、こんなことにはならなかった。自分にも責任があります》