松井秀喜氏(右)から背番号「55」を受け継いだ秋広優人に期待が高まる(時事通信フォト)

松井秀喜氏(右)から背番号「55」を受け継いだ秋広優人に期待が高まる(時事通信フォト)

背番号55の重圧

 巨人の4番には“隔世遺伝”があるのだろうか──。松井がメジャーリーグに移籍以降、李承燁やアレックス・ラミレスなどの外国人選手が座った。その後、2012年からは主に阿部慎之助が4番を務めたが、最初の2年間は見事な活躍を見せたものの、以後は怪我などもあって満足な数字は残せなかった。岡本は既に、4番としての試合数も本塁打も打点も松井や阿部を超えており、その上には川上、長嶋、王、原の4人しかいない。

「秋広の背番号55番も“隔世遺伝”があると思います。松井が去った後、大田泰示がルーキーの2009年から着けていましたが、巨人では花が開かず、移籍先の日本ハムで芽が出た。チーム事情などの要因もありますが、松井の全盛期をよく知っているだけに55番が重荷になった面はあるでしょう。『ホームランバッターにならないといけない』という気負いがあったのかもしれない。秋広は松井の巨人時代を知らないので、変な意識をしないで済む。だからこそ、ホームランにこだわりすぎず、あれだけ広角に打てているのでは」

 他球団と比べて何かと重圧の掛かる巨人。その栄光の歴史を生で見ていない選手のほうが未来を切り開きやすいのかかもしれない。左の秋広、右の岡本が、ONを彷彿とさせるような新たな時代を築くのか──。ON時代を知っているファンほど、岡本・秋広の「OAコンビ」の活躍を期待してしまうのではないか。

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