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浮気を「許す女」と「許さない女」の違いは「扁桃体」の質

 総じて女性は、男性の浮気に対する勘が鋭いが、“その後の反応”は人によって大きく異なる。「絶対許さない!」と泣きわめく女性もいれば、「別にしかたないわ」とアッサリ諦めてしまう女性もいる。

 浮気を許す女と許さない女――。この違いは、一体どこから出てくるのか。

 神経内科医・米山公啓医師がいう。「女性の感情の起伏が激しいのは、喜怒哀楽の交通整理を行なっている扁桃体と呼ばれる器官の働きが強いことに由来します。扁桃体は脳の中央、大脳辺縁系にあり、左右の脳をつないでいる前交連という連絡線維につながっています。
 
 女性の特性として、この前交連の回路が太く、主に右脳を中心に使う男性に比べ、女性はこの前交連を通じて左右脳をくまなく使います。そのため脳に入ってきた情報に素早く反応し、突然、感情的に泣いたり、怒ったりするのです」

 そして男の浮気を見抜く鍵でもある優れた記憶力も、扁桃体と同じ大脳辺縁系が担っている。

「通常、ちょっとした出来事の記憶は、海馬と呼ばれる部位に入った後、20秒くらいで消えてしまう。ところが、たとえば浮気の発覚など、激しい怒りや悲しみが女性を襲うと、海馬には行かず、扁桃体が“忘れない記憶”として定着させ、消すことができなくなります。浮気を許せない女性は、この感情と結びついた記憶を消すことができない体質と考えられます。一方で、浮気を許せる女性は、扁桃体が簡単に刺激を受けない体質で、嫌な記憶を倉庫の奥にしまっておくことが可能なのです」

 やっかいなことに、定着した記憶は、事あるごとに小さな刺激でも増幅してよみがえるという。感情的になりやすく、扁桃体が興奮しやすい女性ほど、許せない思い出になってしまうのである。

 許せる女の場合は、扁桃体が簡単に興奮せず、つらい記憶を奥深くに封印できるという。これは扁桃体の性質なので、外見からはなかなか判断できそうにない。

 たとえ恋の相手がクールでドライな女でも、扁桃体までは確認できない。必要以上に怒らせない、悲しませないようにするのが得策だ。

※週刊ポスト2010年11月26日・12月3日号

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