国際情報

「正義の戦争あるか」学生150人大討論 「ある派」の根拠は?

 神奈川大学経営学部・石積勝教授の「国際政治学」の授業では対話型の講義が行なわれている。150人の学生たちが「正義の戦争はあるか」で「ある派」「ない派」に分かれ討論を闘わせた。その一部を紹介しよう。

******************************
ある派I(男):「たとえば中国や北朝鮮が攻めてきた時、何もしないのはおかしい。おそらくその時、日本に正義の戦争という概念が生まれる」

ある派J(男):「この間のテレビ番組で誰かが『中国は空母をつくり、尖閣諸島だけでなく沖縄まで取るつもりだ』と言っていた。そうなった時に『正義の戦争はない』と言い張り、自分たちの領土をみすみす奪われてもいいのか」

 石積教授が「ない派」の反論を引き出すために挑発する。

石積:「つまり正義の戦争がないという連中は、正義という概念がない、どうしようもないやつらということなのか」

ない派K(男):「領土が奪われようとしている時に反攻するのは、やらざるを得ない戦争。やらざるを得ない戦争と正義の戦争とは別」

 実際に戦争になった時、兵士となって戦場へ行くかなどといった意見が交わされ、やがて議論は終盤に入る。

ある派L(男):「自国と相手国とが戦い、誰かが止めないと戦争が終わらないという状況になった時、間に入った第三者にこそ正義がある」

ない派M(男):「確かにケンカを止める第三者は必要。でも近年アメリカが関わった戦争で沈静化に向かったものはない。ベトナムでは逆に枯葉剤を使って被害を拡大させた」

ない派N(男):「アメリカはベトナムでは第三者じゃなかった。当事者として参戦した」

ある派O(女):「でも戦争を止めさせる第三者はアメリカのような強い国じゃないとだめじゃないの。日本はアメリカとくっついて平和な国になっている」

※SAPIO2010年11月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン