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ベンツ敏腕ディーラーは「彼女と行く店」まで相談される

 デフレ不況、モノが売れない時代でも、めちゃくちゃ売りまくるビジネスエリートはいる。各界の「ナンバーワン営業マン」を取材してみると「モノ売る人々」の法則が見えた。

 メルセデス・ベンツといえば富の象徴。最近は国内販売台数も苦戦を強いられている。

 だが、「メルセデス・ベンツ麻布」のエグゼクティブダイレクター・吉田満氏(48)は年間100台以上、10年連続で販売してきた。吉田氏から3つの法則を聞いた。

●自らが「看板」になる

 180台売った年もあり、2日に1台売った計算となる。吉田氏はいう。「メルセデスのブランド力は絶大だけど、うちは正規ディーラーの中では小さな販売店。だから、一生懸命、自らが看板になって売るしかない。けど同じ看板ばかりだとつまらない。少し変わった看板があってもいい。それが自分だと思っています」

●容姿で生意気を演出

 吉田氏はドルチェ&ガッバーナのスーツなど高級ブランドで身を固める。「キッチンが汚れた飲食店で食べたくないでしょ? スーツは買える範囲で、キャラに合ったものを選んでいます」(同)

 とはいえノーネクタイで、髭も蓄えた風貌を、チャラチャラしすぎ、生意気だ、と客が指摘することもある。「そう思って頂ければ、いっそう仕事がやりやすい(笑い)。最初、マイナスの印象があるからプラス要素を提供できれば反動も大きい。スタイルは自分を売り込むひとつのツールですね」

●上質な夜遊びを覚える

 365日が営業といえども、「前日に時間を計算して、翌日に遊ぶ時間を作っている」と吉田氏はいう。自己投資を欠かさないのも、トレンドに遅れないためだ。「メルセデスを買うお客様は車の性能に詳しくない方も多い。商談では車の話は5分で終わることも。むしろ、雑談のほうが長い(笑い)」。吉田氏は相手に合わせて、経済、投資など話題を振る。「時には彼女をどんな店に連れて行ったらいいか、なんて相談されることもある。だから、自分も知っていないとね」

※週刊ポスト2011年2月11日号

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