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2011.02.03 10:00  週刊ポスト

犬の糞害に悩む方に悲報 糞の放置に罰則がない自治体もある

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は、「犬が散歩中にした糞便を放置していく飼い主がいて迷惑しています」と、以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 犬の散歩の際、糞便をそのままにして立ち去る人がいて、迷惑しています。マナーだけでなく、法律違反になることもあるそうですが、規定ではどうなっているのでしょうか。都道府県や市の条例もあるようですが、犬を飼う場合の規定にはどんなものがあるのでしょうか。

【回答】
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)では、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの」を廃棄物としています。犬の糞はこれに含まれます。

 そして同法第16条で、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と、廃棄物の不法投棄を禁止しています。違反すれば5年以下の懲役または1000万円以下の罰金という罰則の適用があります。しかし、犬の糞便に廃棄物処理法を持ち出すのは、いわゆる「鶏を割くに牛刀を以てす」の類で、大げさに過ぎるといえるでしょう。

 軽犯罪法では「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物または廃物を棄てたもの」を拘留または科料で処罰できますが、「公共の利益に反して」という点で立証が必要です。そこで糞害に悩む自治体では、条例で規制しているところもあります。

 地方自治法において、所轄する事務に関して条例を定め、住民に義務を課した上、違反した場合には罰則を科することもできるとされています。公園や道路は自治体の管理する施設ですから、その環境美化を促進することになり、こうした仕組みに基づいて、飼い主に犬の糞の始末を義務付ける条例が制定されています。
 
 しかし、すべての自治体が制定しているわけではなく、規制の中身も自治体により違っており、罰則がないものもあります。犬を飼う場合に関係する法律として、動物愛護法と狂犬病予防法があります。前者は、飼い主に対して飼い犬の適切な飼育を求め、愛護を義務付け、みだりに殺傷するなど虐待したり、捨て犬にした場合、犯罪として処罰します。後者は、狂犬病予防のため、飼い主による登録と予防注射を義務付けています。

【プロフィール】1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2011年2月11日号

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