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震災救助の疑問 救助の順番は? 「SOS」と書く効果は?

東北関東大震災関連のニュースを見ていて、ふと抱く「なぜ?」の疑問に、K&T防災研究所所長の森田武さんが答えてくれた。

Q1.救助する順番はどうやって決めているの?

「消防や警察などと自治体の災害対策本部が連携して決めています。優先順位は場所や人数ではなく、“人命救助が最優先”という原則があります。消防署などが救助要請を受けたとき、いちばん初めに通話口の相手に聞くのは“避難状態を続けるのが困難な人はいますか”ということです。けがをした人や病気の人、お年寄り、子供、障がいのあるかたなど、一刻も早く救出をしなければならない人がいるところから救助をはじめていきます」

Q2.海外の映像で見られるようなヘリからの消火活動はしないの?

「今回の場合でもしていないわけではありません。ただし、人命救助を最優先するので回数は少なくなります。各都道府県がもっている防災ヘリは通常1~2機。大都市でも4~5機といったところです。震災地域には、各県や自衛隊から応援の防災ヘリがはいっていますが、合計しても数十台です。ヘリは孤立した地域の人命救助を最優先しています」

Q3.屋上や地面に書かれた「SOS」、その効果は?

「あります。ヘリからは視界が悪く、救助隊は遭難者がどこにいるのか見えにくいものです。ヘリが近づきやすい広い場所で大きな“SOS”のサインをつくることはとても効果的です。日没が迫って暗くなった場合は、車についている赤色灯や発煙筒を使うと目立ちます。旗や衣服をふるときは、白色ではなく、黄色などのなるべく目立つ色のほうがいいでしょう」

※女性セブン2011年3月31日・4月7日号

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