芸能

急死の田中好子さん 「絶対に生む」と不妊治療を続けていた 

 元キャンディーズのメンバーで、女優としても活躍した田中好子さん(本名・小達好子)が21日夜、乳がんのため東京都内の病院で亡くなった。55才だった。田中さんは、公表していなかったが約20年にわたって乳がんと闘っていた。記者会見した夫の小達一雄さんによると、1992年に乳がんが見つかった。その田中さんは、その後も闘病を続けながら、同時に“子供がほしい”との思いも抱いていたという。(女性セブン1995年9月21日号より)

 * * *
 NHK朝のテレビ小説『走らんか!』の収録に全力投球中の田中好子。NHK大阪放送局制作のため、週のうち5日は大阪、残りを東京という二重生活を送っている。その田中は、1年ほど前から月に1度の割合で都内の大学病院を訪れている。

 ときには、夫である小達一男さんも付き添い、夫婦揃って深刻な表情で訪れることから、病院関係者や患者たちのあいだで田中の体調を気遣う声が出始めていた。体調が悪い? しかし、夫の小達さんは、苦笑いしながら否定、こう話し始めた。

「不妊治療なんですよ。ホルモンのバランスをチェックしたりしているんです」

 田中は結婚直後から我が子の誕生を心待ちにしていた。4年前、35才の結婚会見のときも、「(赤ちゃんは)早く欲しいです。年齢的にも早く生まなくては…」と、声を弾ませていた。

 田中と親しい芸能関係者が話す。

「好子ちゃん、キャンディーズ時代の伊藤蘭さんや藤村美樹さんといまでも仲良くて、しょっちゅう会っているんです。おふたりともすでにお子さんがいるから、自然と話題は子育てのことになるらしいんです。そのたびに好子ちゃん“うらやましいなあ”という気持ちと“私も早く生まなければ”という気持ちがゴチャ混ぜになっているみたいなんです」

 さらに小達さんは小達家の長男。田中は“長男の嫁”の重圧が重くのしかかっている。

「家内はなんとしても、長男の嫁として、1人は男の子を生まないと…とかいうんです。つまり、私の事業の後継者として子供を育てなくては、という気持ちなんです。そんなに気張らなくてもいいのにと、私はなんだか家内がかわいそうで…」(小達さん)

 田中が妊娠を急ぐ理由はもうひとつある。それは、来年40才を迎えるという年齢の問題だ。夫の小達さんが語る。

「もうすぐ40代にはいることもあって、バランスがよくないんです。たとえば、胎盤なんかがですね…。それに家内の仕事は不規則なもので、生理の周期もはっきりしないなど、いろいろ問題も多いんですよ」

 田中は、テレビなどで幼い赤ちゃんが出てくると、じっと見入ることが多いという。子供好きな田中は、親しい知人にこうもらしたという。

「私、絶対に生んでみせる。私たちのかわいい赤ちゃんを…」

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