ライフ

関西人は陽気だが阪神淡路大震災を「笑って済ませたらアホ」

 東日本が未曾有の大災害に見舞われ、もがき苦しんでいる今、商都・大阪を中心とした関西の役割が改めて見直されている。阪神・淡路大震災から立ち上がった経験を持つ関西に、日本復興の旗振り役としての期待がかかっているのだ。伝説的な深夜番組『11PM』(日本テレビ系)のキャスターとして、日本を元気にしてきた関西在住の作家・藤本義一氏が「今度は関西が以前助けてもらった恩返しをする番だ」と、その意気込みを語る。

* * *
 なぜ関西人はあの惨状から立ち直ることができたのか。

 関西人は根っからの陽気さから阪神・淡路大震災も乗り越えられたのだと語る人もいるが、あんな災害を笑って済ませたらアホです。あるいは、関西人は大震災をバネにしたと言う人もいるが、バネにするには相当余裕を持って物事を見ていないとできない。

 関西では“笑は商なり”“商は笑にして勝なり”という商いの基礎がある。さらに、やはり関西の強みは“小”、すなわち小さなものが集まって大きな力となることであり、それが大震災からの早い復興につながったと言える。

 企業が様々に分かれ、合理的に連動しているのが関西の特徴だ。東大阪の町工場が広く知られているが、小さな企業が集まってロケットまで打ち上げてしまう。業種別に結束力を高めて大きな力になっているのが関西であり、この助け合う精神が震災でも威力を発揮した。「お金はコツコツ働いて稼ぐもの」「労せずして大金を得ようと思うな」と教えられ、一攫千金はありえないと教育されてきた。だからこそ、地場産業が育つ。

 そのため、関西には中小企業が多い。もちろん大企業の下請けとして、なくてはならない会社も多い。大企業が経営危機に陥れば公的機関から援助の手が差し伸べられるのに対し、中小企業が傾いても見捨てられるだけである。それゆえに「頼れるのは自分のみ」という発想になる。
 
 このような考え方が社会全般の常識となり、私生活にまで染み込んでいる。だから苦境に立たされるほど力を発揮するのではないだろうか。だとすれば、今こそ関西人は自分たちの経験を語り、苦境のやり過ごし方を伝えるべきだと思う。

※SAPIO2011年5月25日号

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン