国際情報

一流民間軍事会社勤務兵士 4か月報酬260万円、年1600万円も

 今、世界の紛争地・危険地域で「武装した民間人」の姿を見ない日はない。ライフルを持って、防弾ベストを着込んでいるが、軍服は身につけていない。PMC(Private Military Company=民間軍事会社)と呼ばれる彼らは、これまで軍隊の任務であった作戦業務を「ビジネス」として請け負っている。彼らは一体、何者なのか。国際政治アナリストの菅原出(すがわら・いずる)氏が解説する。

 * * *
 米国においては長い間、軍需産業と軍や国防総省などのつながりが「軍産複合体」と呼ばれ、国家の軍事的な政策を共に推進してきた。この発展形として近年注目を集めているのがPMCと呼ばれる企業群である。民間セクターが「兵器」のみならず、「人的資源」を提供するようになったということだ。

 イラクやアフガニスタンなどの紛争地域ではPMCの要員たちが、政府の要人を警護したり、大使館の警備にあたったりしている。彼らは自動小銃などで重武装しているが、正規軍の軍人ではない。西側のPMCに雇われた、れっきとした“ビジネスマン”なのである。

 PMCで働く職員の多くは、米国ならレンジャー部隊、グリーンベレー、デルタフォースなどの特殊部隊に属していた者、英国ならSAS(特殊空挺部隊)や王室関係警護担当者など、超エリート部隊の出身者だ。

 彼らの報酬は高い。イラク戦争の一時期は、一流企業のPMCになると、3~4か月間で3万3000ドル(約260万円)相当の報酬が支払われた。中には年俸20万ドル(約1600万円)以上を稼ぐ優秀な職員もいた。この額は、米軍の平均年収の約3倍に相当する。確かに、魅力的な金額である。

 現在、イラクには4万5000人の米軍に対して1万8000人のPMC部隊、アフガンには10万人の米軍・NATO軍に2 万6000人ものPMC部隊がサポートしている。

※SAPIO 2011年6月29日号


関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン