ライフ

「なでしこ優勝は集団知能高めたから」とホンマでっか澤口氏

 なでしこジャパンのW杯優勝には、「集団知能」が大きく関係していた。そう語るのは、『ホンマでっかTV!?』(フジテレビ系)でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏。脳科学的観点から、なでしこジャパンの強さの秘密を読み解く。

 * * *
 なでしこジャパンの優勝で、なでしこフィーバーが続いていますが、このフィーバーには、脳科学あるいは進化学の観点から興味を持てる点があります。それは、「リーダーの本質」を示してくれたということです。

 なでしこジャパンの選手たちが個性的で優秀であることは間違いありません。しかし、それだけでは優勝はもとより上位にもはいれなかったはずです。やはり佐々木則夫監督の采配があればこそといえます。

 佐々木監督についてはPK戦の前に選手の笑顔を誘ったとか、いつも前向きでポジティブな言動をするといったことが報じられてきましたが、それらはいわば指導にあたってのテクニックに過ぎません。

 より重要なのは、集団にはそれぞれに特有の知能があり、その「集団知能」を高めることがリーダーの基本的役割であるという視点です。

 集団知能とは、個人の能力ではなしえないものを集団の能力で達成できるようにする知能です。ごく簡単な言葉でいうと「チームワーク」といえるかもしれません。どんなに優れた個人がたくさんいても、その良さや能力が引き出されなければ集団としての勝利や報酬を手にすることはできません。

 チームの個々のメンバーの能力の単純な平均値や総和、あるいは、最も優秀なメンバーの能力などでは集団の能力は推し量れないことがわかっています。ゆえにリーダーの資質がとても重要なのです。「なでしこジャパン」が優勝できたのは、佐々木監督がその集団知能、すなわちチームワークを高めてきたことが大きいといえます。

 集団知能を高めるためにリーダーに求められる最低条件は、全てのメンバーから信頼されていること。明確なビジョンとぶれない信念を持つこと。そして、まさに「あきらめない」ことです。

 佐々木監督がこれらの条件を満たしていたからこそ、「なでしこジャパン」は人間集団のプラスの本質を体現し、優勝の栄冠に輝いたのだといえます。

※女性セブン2011年8月25日・9月1日号

関連記事

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン