ライフ

初妊娠した産科女医「妊娠してもすべてわかるわけではない」

 性科学者として『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)を出版し、性の伝道師として女性から絶大な支持を得るとともに、産婦人科医として『踊る産科女医』(吉川景都/著、小学館)の原案・監修も手がけてきた宋美玄さん。そんな宋さんも、実は現在妊娠中だ。35歳で初めての出産を迎える宋さんが、一妊婦として、そして一産婦人科医として感じていることを、率直に語った。

 * * *
 妊娠してわかったことは、「ひとつとして同じ妊娠はない」ということ。それは同時に「妊娠したから、すべてがわかるわけではない」ということです。

 お腹の赤ちゃんのことを考えると、かわいいし、「ちゃんと育てないと!」という思いは強くあります。実際に悪阻(つわり)や腰痛、便秘を経験して、「ほんま、しんどい!」と思いますし、妊婦は足がよくつるのですが「地味につらいわ」と実感しました(笑)。

 ただ個人としてはもちろん特別な経験ですが、産婦人科医としては客観的にわかることは少ないです。こんなことをわざわざいうのは、稀にですが「子供産んだことないアンタに何がわかる?」とか、「説得力がないわ」とかいわれたことがありまして。いやいや、それいうたら男性の医師はどうなんねん!と(苦笑)。産婦人科には、難産のかたや流産されたかた、不妊治療されているかたなど、いろいろな患者さんがいらっしゃいます。そのすべてを経験している医師なんていませんが、個人的体験は別にして、目の前の患者さんのことを考えて寄り添うことはできると思います。

 自治体の母親学級などに行くと、「あんまり怖い話をしないでくださいね」といわれることもありますが、私は常に「妊娠・出産に100%の安全はない」というお話をします。これは脅しとか、いい訳のつもりはありません。

 それくらい出産は大変なことだということを理解してほしい。そして基本的な知識を得ることで、少しでも患者さんに不安や不満を解消してほしいのです。

※女性セブン2011年9月22日号

関連記事

トピックス

悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン