国際情報

自民党議員入国拒否“騒動”で韓国「日本の挑発に乗せられた」

 バスケットボール大会にファッションショーと竹島の夏は今年も韓国の愛国パフォーマンスに染まった。だが、今年の“竹島・独島・夏の陣”は日本の判定勝ちだったと、産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏は指摘する。

 * * *
 韓国の8月は毎年、反日で盛り上がる。今年も定番の慰安婦問題や「独島」で意気上がった。慰安婦がらみでは、何と亡くなった彼女らの胸像の完成が話題。彼女らはついに抗日独立運動の英雄になってしまった。

 一方、「独島」では狭い埠頭にミニ・コートを持ち込んでの“優秀高校バスケット大会”などといった愛国パフォーマンスも。予定の“独島愛国ファッションショー”は悪天候で、場所を変えて鬱陵島開催となった。

 しかし今年の“竹島・独島・夏の陣”は日本の判定勝ちだった。これまで韓国に押されっ放しだったが、日本が久しぶりに一矢報いたのだ。

 領土問題に関心のある自民党議員3人(新藤義孝、稲田朋美、佐藤正久)が韓国で巻き起こした“騒動”のお陰である。訪韓計画に韓国内で非難、糾弾の声が高まり、反日世論に弱い政府が異例の入国拒否の措置までとった。コトは国際ニュースとなり世界に広がった。

「日韓間にはそんな重大な領土紛争があったのか!」というわけだ。日韓には「領土問題は存在しない」という韓国側のかねてからの虚構が、内外にPRされた。

 いつもそうだが、今回も韓国が騒いでくれたため、竹島問題は大いに注目された。とすると、今回の“勝利”は、サッカーでいうなら相手の“オウンゴール”の結果ということもできる。ただ、これは日本側の攻めがあったからだが。

 したがって負けた韓国側では反省の声も出ている。「日本の挑発に乗せられた」というわけだ。

 韓国側では与党政治家が先頭になって「独島死守!」を叫び「断固、入国阻止!」を煽動したが、負けて反省の声になった。だが、それでも“独島愛国”はやめられない!

 今回、反日煽動の先頭に立ったのは李明博政権の有力者、李在五・特任相(無任所大臣)だった。彼は「自分が体を張って独島を守る!」と、日本議員の訪韓日程に合わせて島に渡り、武装警備隊の制服(軍服)を借り、鉄カブト姿で写真に納まった。

 政権中枢に位置する大物政治家にしてはいささかコミカルだが、本人は真剣だった。この「独島愛国パフォーマンス」の背景は明らかに選挙。与党敗北は確実と伝えられる来年春の国会議員選挙で、彼は危ういと見られているからだ。

※SAPIO2011年10月5日号


関連記事

トピックス

大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」