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住宅ローン 繰上返済可能でも生活費の半年~1年分は手元に

 マイホームを持つ家庭の家計費のなかで、大きな割合を占めているのが住宅ローン。超低金利時代といわれる現在にこそ、賢くローン返済していきたいもの。

 通常の返済額とは別に、まとまった金額を元金分として、前倒しで借りている金融機関に返済してしまう方法が“繰り上げ返済”。さらに、余裕資金があり早く返済額を減らしたいという人に向いているのが「短期短縮タイプ」の繰り上げ返済だ。

 例えば、35才でマイホームを購入し、35年返済を選択している場合、返済が終わるのは70才。つまり、定年後も住宅ローンを支払う心配があり、景気がなかなか回復しない状況が続けば、退職金もあてにはできないのが現実だ。

 そんな老後の不安を解消するためにも、定年になる60才までになんとか完済してしまいたいという人も多いはず。では、全期間固定2.7%の金利で3000万円を借りて5年経った場合、35年の返済期間を10年短縮させるには、いくらの繰り上げ返済が必要なのだろうか。

『住宅ローンは55歳までに返しなさい!』(アニモ出版)などの著書がある住宅ローンアドバイザーでファイナンシャルプランナーの豊田眞弓さんはこう語る。

「この条件で返済期間を10年短縮したい場合、一度だけで実行するなら680万円の繰り上げ返済が必要です」。

 特に大きな出費の予定がなく、金銭的なゆとりがある場合は、大きく繰り上げ返済をしてしまうのもいいが、一度に680万円を返済するのは現実的には厳しそうだ。  「繰り上げ返済の利息効果を考えると、“貯蓄よりも繰り上げ返済”と考える人がいますが、想定外の支出に備えて生活費の半年から1年分は常に手元においておくべきです」(豊田さん)

 一気に返済するのが難しい場合は、100万円ずつなど可能な範囲で繰り上げ返済を繰り返すという方法もある。繰り上げ返済ができる最小金額は金融機関によって異なり、フラット35は1回100万円以上が条件となっているが、民間住宅ローンは1万円から行えるところが多い。

 なかには1円から可能なところも。こまめに繰り上げ返済を行いたい人は、手数料が無料のところを選ぶなどの工夫も必要だ。

「なかには“預金連動型住宅ローン”といってローンと預金口座をセットにし、預金残高に応じて、住宅ローン残高にかかる利息負担が軽減されるという“疑似繰り上げ返済”ができる商品などもあります。返してしまってはいないので、必要なときにはいつでも預金を引き出せる安心感も。東京スター銀行やHSBCなどで扱っています」と豊田さんは話す。

※女性セブン2011年10月13日号

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