国際情報

もし落合信彦氏が織田信長をインタビューしたらどうなるか?

 現在の日本は既得権擁護ばかりで遅々として改革が進まないが、かつて数々の改革を打ち出したリーダーと言えば戦国武将・織田信長だ。彼がもし今、生きていたら、何を語るだろうか? 話題の新刊『世界を変えた巨人たち「IF」』(小学館)で、豊富な取材と史料をもとに10人の歴史上の偉人たちとの対話を綴っている国際ジャーナリストの落合信彦氏は、信長とこんな会話ができたのではないかと考える――。

 * * *
――戦略家としてもさることながら、殿はさまざまな改革にも力を入れて経済の活性化に大いに貢献なされました。例えばいろいろな規制の撤廃とか道路の拡張、関所の廃止など当時では考えられない大胆なものでしたが。

信長:経済は政治同様人間が作るもので、血が通った生き物なのじゃ。それがわかっていれば余の改革は当然のことであった。例えば当時市場に出入りする商人は名前や数が限られておった。他に参入したくてもできない。いわゆる既得権を持つ者だけが跋扈していたわけじゃ。利権じゃな。

 既得権にどっぷりと浸っておる者には危機感や緊張感がない。そういう者どもが市場を支配しておる限りは物や金の流れは沈滞する。そんな市場には活気がないし、発展も望めない。故に余は楽市楽座を作って誰でも参入できるようにしたのだ。

 関所を廃止したのも同じ発想からだ。領地を出たり入ったりする者をいちいち検査していたら、まず人手がかかるし金もかかる。その上多くの民は検査を嫌がって出入りを敬遠する。これでは人の流れが小さくなってしまうし、領地内での経済活動を著しく鈍らせる。典型的な負の行政であり、時代遅れもはなはだしい。余は尾張というより日本国の基準で物事を考えていた。関所などにこだわっている時代ではなかったのじゃ。

――改革のおかげで領地領民が潤って殿の考え通りになったわけですが、改革に対する抵抗というようなものはなかったのですか。

信長:いつの時代にも改革に反対する輩はおる。既得権の上にあぐらをかいている連中は変化や改革が一番怖い。だが余はそんな連中が抵抗することなど許さなかった。必要とあらば実力行使も辞さずという心がけはいつも持っておった。時代は常に変わるものだ。それによって改革も必要となる。そうしなければ時代に置いてきぼりをくらうだけじゃよ。

※落合信彦『世界を変えた巨人たち「IF」』(小学館)より

関連キーワード

関連記事

トピックス

“マッサージ店”の元マネージャー、プンシリパンヤー・パカポーン容疑者(38)。12歳のタイ少女にわいせつな行為をあっせんさせた疑いがある(写真右:時事通信)
〈仕事の初日、客は1人〉〈怖くて手も腕も足も震える〉押収物の“日記”に綴られた壮絶な日々……12歳タイ少女に性的サービスあっせんの“ブローカー”タイ人女性(38)が検挙
NEWSポストセブン
苦戦が予想される岸信千世氏(時事通信フォト)
《総選挙・注目選挙区を予測》橋本龍太郎・元首相の息子、安倍晋三・元首相の甥は苦戦の見通し 「反高市」の武田良太氏は維新現職と与党同士の潰し合いに
週刊ポスト
中国出身の女性インフルエンサー・Umiさん(TikTokより)
「長期間歩かずにいたせいで神経に影響」クスリ漬け、歯を全部抜かれたのでは…中国ギャル系インフルエンサー(20)の現在の容態《“詐欺集団の幹部の恋人”説に本人が「以前はね」》
NEWSポストセブン
北海道日高町で店の壁の内側から遺体が見つかった事件。逮捕された松倉俊彦容疑者(49)、被害者の工藤日菜野さん。(左・店舗のSNSより、右・知人提供)
「2人の関係は公然の事実だった」飲み屋街で目撃されていた松倉俊彦容疑者と被害女性の“親密な関係” 「『嫁とはレス』と愚痴も」【日高・看護師死体遺棄】
NEWSポストセブン
不正受給の返還を促す中小企業庁HPより
《コロナ禍から3年》「就職しようとしても不正の件がすぐにバレ…」 全額返還しても不正受給者とその家族を悩ませ続けるネットに残る名前
NEWSポストセブン
島根県の私立松江西高校で男子生徒が教師と見られる男性に暴言や机や椅子を投げたりする動画が拡散されている(HP/Xより)
「謝れや、オラァ!」私服の生徒が暴れ、“おじいちゃん教員”は呆然と立ち尽くし…「炎上した動画は氷山の一角です」島根・松江西高校のOBが明かした“環境激変”の実情
NEWSポストセブン
2025年に成年式を終えられた秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
「後継者は悠仁さま?」伝統の書道“有栖川流”、眞子さまは「筆致に賛否」佳子さまは「左利き」……秋篠宮家「書道教育」事情
NEWSポストセブン
年末に放送された『ザ・ノンフィクションの大みそか2025~放送30周年スペシャル~』司会の吉岡里帆、出演したクズ芸人の小堀敏夫
《消えた「女優・吉岡里帆の笑顔」》相方にも愛想尽かされて解散…クズ芸人・小堀敏夫氏がコンビ解散の真相を激白
NEWSポストセブン
照ノ富士(右)と先輩・白鵬の立場は逆転か(時事通信フォト)
《元横綱・照ノ富士》高まる伊勢ヶ濱親方の存在感 弟子の四股名は変更し、スカウト網もその手に…“白鵬の残したすべて”を獲得する勢い
週刊ポスト
「新年祝賀の儀」で彬子さまが着用されていたティアラが話題に(時事通信フォト)
《これまでと明らかに異なるデザイン》彬子さまが着用したティアラが話題に「元佐賀藩主・鍋島家出身の梨本宮伊都子妃ゆかりの品」か 2人には“筆まめ”の共通項も
週刊ポスト
韓国のガールズグループ・BLACKPINKのリサ(Instagramより)
《目のやり場に困る》BLACKPINKのリサ、授賞式→アフターパーティの衣装チェンジで魅せた「見せる下着」の華麗な着こなし
NEWSポストセブン
「第8回みどりの『わ』交流のつどい」で、受賞者に拍手を送られる佳子さま(2025年12月、共同通信社)
「心を掴まれてしまった」秋篠宮家・佳子さまが海外SNSで“バズ素材”に…子どもとの会話に外国人ユーザーらがウットリ《親しみやすいプリンセス》
NEWSポストセブン