国内

日朝国交正常化推進議連に“竹島の領有権放棄”の土肥隆一氏

 菅政権下で疑惑が急浮上した民主党と北朝鮮との「親密過ぎる」関係は、野田政権下でも続くのだろうか。民主党政権になってから“北朝鮮優遇策”が続々と復活している。菅直人氏を辞任に追い込んだ「北朝鮮関連献金」疑惑をスクープしたジャーナリストの田村建雄氏が検証する。

 * * *
 北朝鮮との親密さを窺わせる関係は、民主党においては(6250万円を北朝鮮関係団体に献金した)菅直人氏や(北朝鮮との融和的な外交政策を目指す「朝鮮半島問題研究会」の中心メンバー)平岡秀夫法務相ら特定議員に限った話ではないようだ。
 
 例えば、この夏、産経新聞の調査により、2001年から10年にかけて、民主党の北海道総支部連合会が朝鮮総連傘下の「金剛山歌劇団」の札幌公演でのパンフレットに「歓迎 金剛山歌劇団」と題した広告を出していたことが明らかになった。支出総額は50万円だが、税金が原資の政党交付金が使われていた。

 2009年に民主党政権が誕生すると、北朝鮮本国は朝鮮総連に対し、積極的に民主党にアプローチし、交流を深めるように指示を出していた。09年末の朝鮮総連中央常任委員会の決定書には、それに呼応するように、10年以降の課題として、民主党政権の対北朝鮮政策を転換させて06年以来の制裁を撤回させること、2002年の日朝平壌宣言に従って過去の清算をベースに国交正常化に本格的に向かうよう総連が活動することが掲げられていた。

 これだけではない。最近とみに憂慮すべき様々な事態が起こっている。

 今年6月15日には、約2年間休眠していた「日朝国交正常化推進議員連盟」が会合を再開した。超党派の議員連盟ではあるが、副会長の一人は菅氏の側近で、竹島の領有権放棄を日本に求める「日韓共同宣言」なるものに署名した土肥隆一衆院議員である。

 7月13日には、翌日に都内で開催されるアジア・オリンピック評議会総会に出席する北朝鮮国際オリンピック委員会の入国が「特例措置」として認められた。2006年からの制裁以降、原則として北朝鮮国籍保有者の入国は禁止されており、要人の入国は初めてのことだ。7月21日には、中井洽・元拉致問題担当相が極秘に中国の長春を訪問し、北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化担当大使と会談した。そして、総理辞任直前の8月末には突然、菅氏は置き土産とばかりに、朝鮮学校への授業料無償化適用の再審査を文科省に指示した……。

 野田民主党のセンセイたちは、常に北朝鮮が自分たちを利用しようと虎視眈々と狙っている事実を自覚し、猛省すべきだ。それが政権与党の政治家の責務である。

※SAPIO2011年10月26日号

関連キーワード

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン