国内

臨界事故経験の東海村村長 東海原発止めたほうがいいと意見

ベストセラー『がんばらない』著者で、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏は、支援のために震災被災地にずっと通い続けている。鎌田氏によれば、放出された放射性物質のデータを、東電も政府も少なめに発表する傾向があるという。以下、鎌田氏の解説である。

* * *
見えない放射線は、分からないことが多い。福島第一原発の事故で放出された放射性セシウムは、原子力安全委員会の試算値で1万1千テラベクレル。しかし、ノルウェーなどの欧米の研究チームは、これよりも3倍の量が放出されたと推定している。

また海洋への放射線セシウムの放出量について、フランスの放射線防護原子力安全研究所は、東京電力が発表した値の30倍以上だったともいう。東電も政府も少なめに発表する傾向があるのか。

茨城県の東海村の村上達也村長は、東海原発は止めたほうがいいと言っている。凄い人だ。村上さんは、4期目の現職村長。JCOの臨界事故を経験している。

政府や専門家の対応に満足できなかったのであろう。「東海第二原発は、30キロメートル圏内に100万人規模の住民が暮らしている。この原発に万が一事故が起きると大変なことになる」という。

確かに村上村長の言う通りだ。原発を止めた後、廃炉にするための研究所を作っていけば、村の存在価値は失われないという。

※週刊ポスト2011年11月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン