芸能

立川談志 湾岸戦争で米国、海部元首相らを川柳で皮肉っていた

落語家の立川談志さん(75)が、21日に喉頭がんのため死去した。落語だけでなく、テレビタレントとしての活動も行い、1971年には参議院議員に当選するなど、幅広く活躍した。そんな談志さんは毒舌でも知られていたが、1991年、湾岸戦争開始直前、当時の米国大統領であるジョージ・ブッシュ氏や、時の内閣に対し、諦めの境地にも達した川柳を詠み、自らその句を解説していた。(週刊ポスト1991年1月1日号より)

* * *
前科者 現行犯に 文句言い――ブッシュ
ジャングルは 懲りたが 砂漠はまだ懲りず――ブッシュ
人質を 猪木に託す 情けなさ――内閣
アラブ語は 読めず フセインは なお読めず――海部首相
いい機会(チャンス) いっそやるかと 自衛隊
国連は 国連のために あるところ

句の心は、読めば一目瞭然でわかってもらえるでしょう。説明するまでもない。一句目は、これまでさんざっぱら(他国にちょっかい出したり、戦争したり)をやってきた米国なのに、自分のことは棚に上げ、フセインを批難している滑稽さ。

二句目のジャングルとはベトナムのこと。三句目は、内閣というより、国民とした方がいいかもしれない。川柳は素直に詠めればいいんだが、一面、パロディでもある。有名な句や詞をパロッて洒落のめすことも必要。

その時代、その場だけにしかわからない意味や面白さを、当意即妙にたくさん詠んでいうく中に、古典的名作が出てくるもんだ。その時だけで消えてしまうが、その時のできごとなどを痛烈に批判するのが、川柳の持ち味と心得る。

俳風柳多留や西鶴の連句にしろ、芭蕉の連句、俳句にしろ、その時、その場でしか本当の面白さはわからないものだった。その中から、永遠に残っていく作品が生まれている。江戸時代の“座の文学”の伝統を受け継いでいるのが川柳だ。

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