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鎌倉時代の道元にジョン・レノン『イマジン』との類似点指摘

みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、お経の意味について解説する。

* * *
自分の葬儀では、やはり僧侶にお経を読んでもらいたい。それには、お経で語られている釈迦の教えを知っておきたい。そう考えるのは当然のことだ。しかし、中国語なんで、どうも意味が理解できない。もっと簡単に、釈迦が語ったというありがたい言葉の意味を知る方法はないのか?

そんな人には『仮名法語』というものをお知らせしたい。これは仏教の教えを日本語でわかりやすく書いた日本語のお経のようなものである。

地獄のことを書いた源信による『横川法語』。法然の『一枚起請文』。蓮如の『白骨の御文章』。一遍上人の『一遍上人語録』、道元の『正法眼蔵』を纏めた『修証義』。歴史の授業に出てくる日本仏教史のお歴々の皆様によるものばかりである。

例えば、織田信長と激闘を繰り広げた蓮如(浄土真宗)が信徒のために書いた『白骨の御文章』。「朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なり」と、朝は元気だった人が夕刻には亡くなっていることもある世の無常を書き表わした上で、こう記すのだ。

六親眷属あつまりてなげきかなしめども、更にその甲斐あるべからず。さてしもあるべき事ならねばとて、野外におくりて、夜半のけふりとなしはてぬれば、ただ白骨のみぞのこれり。あはれといふもなかなかおろかなり。

人が亡くなったとき、親族一同が嘆き悲しんでも、故人は戻ってくることはない。夜半に火葬をすると、そこに残るのは白骨だけ。これ以上あわれなことはありません――という意味だ。なんだか、胸に染み入る文句ではないか。

曹洞宗の『修証義』にはこんなフレーズがある。

種姓を観ずること莫れ、
容顔を見ること莫れ

人種や肌の色で人を見るな、外見で人を見るなということをいっている。これまたジョン・レノンの『イマジン』のようなことを、鎌倉時代の道元が唱えていたわけだ!

※週刊ポスト2011年12月9日号

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