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海外進出 本社CEOと現地社長の間に組織はいらぬと大前氏

東日本大震災、ユーロ危機と多くの脅威にさらされた日本企業は、なかなか浮上のきっかけを掴めずにいる。しかし、このまま日本経済が「失われた30年」に突入してよいはずがない。大前研一氏が、日本企業が真のグローバル化を達成し、世界で活躍するための条件のひとつ、組織を国別対応にする方法について指摘する。

* * *
もちろん日本でも、新興国への取り組みを始めた企業はある。しかし、会社の組織が、対応できる体制になっていない。大半の日本企業の海外事業部は地域単位で部署がわかれているが、それを改めて国単位で対応すべきである。

つまり「中近東」「アフリカ」ではなく、「トルコ」や「ナイジェリア」をどうするのかと考え、その1つ1つの国を国内と同じぐらいの密度で見ていかねば、真にマーケットに根を張った組織にはならない。

そもそも世界を地域単位で見るのは「百害あって一利なし」である。地域単位にすると、現地と本社のCEOの間にカントリーマネージャー、エリアマネージャー、国際本部長などが挟まるので、本社と現地の距離が遠くなるからだ。

本社のCEOと現地の社長の間に中間機構は必要ない。CEOの下は日本の社長、タイの社長、トルコの社長などがイコールでよい。つまり、CEOの下に重要国が10~20並ぶ。

CEOと世界中のすべてのお客さんの距離を等しくするためだ。それが真のグローバル化である。なぜなら、20の重要国で今の日本と同じ地位を獲得したら、その企業はすなわち世界トップになっているはずだからだ。逆に、どこの国でもほどほどに広く薄く広がったら、すべての国で赤字、ということになる。

※SAPIO2012年1月11・18日号

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