ライフ

漢検1級宮崎美子 吉川英治三国志で難読漢字の楽しみ知る

日本人にとって漢字は切っても切れない関係にあるが、漢字検定1級を保持し、クイズ番組の漢字問題で抜群の正答率を誇る女優の宮崎美子さんは、「難読漢字は人生の相棒」と語る。そんな宮崎が難読漢字をマスターする秘訣とは一体どのようなものなのだろうか?  宮崎さんは次のように話す。

* * *
難読漢字って、「宝の山」なんですよね。でも、その山はあまりに高く、奥深い。まずは自分の興味から入るといいんじゃないでしょうか。

植物や漢方薬など、それぞれ得意分野はあるでしょうし、職業を通じての専門知識でもいいと思います。それが難読漢字と親しむための窓口となるはずです。

別に知らなくても生活には困らないけれど、知っていると楽しいものですよ。文字の奥に秘められた昔の人の思いや暮らしに想いを馳せると、自分の中の“世の中を見る扉”が少し開く気がします。

部首一つとっても意味がある。なぜこの漢字が生まれたのか、なぜこの形をしているのか、なぜこの物の名前に用いるのか。物ならば、どのようにそれを使うのか……。それらを探るのがもどかしくもあり、面白くもある。新鮮な驚きや発見との出会いが、難読漢字を読むことの醍醐味・喜びでしょうね。これぞ大人の特権であり、この楽しさが「覚える秘訣」でもあります。努力しただけ成果が実感できるのも、やりがいを感じます。

おじいちゃん、おばあちゃんと小学生のお孫さんが、難読漢字を通じて会話をするのもいいんじゃないでしょうか。意味を知ると、難読漢字はとてもよくできていてためになります。今では目にしなくなった物も含まれますから、昔の暮らしぶりを教えつつ「なんでこの漢字ができたんだろうね」なんて、推理したりして。きっと、盛り上がりますよ。

実は、私は漢検1級の勉強中には、その楽しさがわかりませんでした。ところが吉川英治さんの『三国志』を読んだら、1級レベルの漢字がゴロゴロ出てきたんです。「殲滅(せんめつ)」とかね。これは「ニラのごとくザクザク切り刻み、敵を皆殺しにする」こと。漢字から血なまぐささがリアルに迫ってきませんか。“ああ、こういう楽しみのために難読漢字はあるんだ”と、痛感しました。

試験対策では随分と試行錯誤しましたよ。ジェスチャー、語呂合わせなど、色んな覚え方を試しました。先ほどの「殲」は「韮」の字を含むので、「懺(ざん)」「薤(かい)」と分けて覚えたり、香辛料のカルダモンが脳を活性化すると聞けば、マイボトルを携帯したり。そういえば、カルダモンは漢字ではどう書くのかしら(笑い)?

私にとっては、老後にのんびり楽しみたい趣味の入り口かな。おかげで退屈しないで済みそう。良き“相棒”に巡り逢えたと思います。

※週刊ポスト2012年2月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン