国内

地方議員 数十万円の“政務調査費”を使い切るのに四苦八苦

 歳費の額が世界一という日本の国会議員の厚遇ぶりは広く知られているが、地方議員も負けてはいない。

 都道府県議の平均年収は1200万円だが、このほか東京都の場合、議会や委員会に出席すれば交通費、宿泊費代として日当1~1.2万円が支給される。

 収入源はまだある。「第3の給料」といわれるのが、「政務調査費」。政策の調査、研究するための必要経費として会派や議員個人に支払われるものだが、これも目が飛び出るほど高い。
 
 東京都では月額60万円、年間720万円に上る。横浜市議で月額55万円、千代田区議で15万円だ。
 
 支給には使途を示す領収書の添付を義務づけている議会が多く、基準額に達しなければ残金を返還しなければならないが、もらったカネを返す議員などまずいない。ある政令指定都市の市議が明かす。
 
「個人の携帯電話代、自宅の新聞代、雑誌やマンガなどの書籍代、宣伝カーに使ったといって自家用車のガソリン代を請求するなんてかわいいほう。ウチは月に数十万円支給されるので、議員は使い切るのに四苦八苦です。自宅を事務所扱いにして家賃を支払った、公用車をリースしたと偽って自家用車のローンを支払った、なんてことも聞いたことがある」

 2010年3月には宮崎市議が、自分が経営する旅行会社を使い、行ってもいない視察旅行の領収書を偽造して約100万円を得ていたことが発覚し議員辞職した。そうした政務調査費の私的流用は、全国の地方議会で後を絶たない。

※週刊ポスト2012年2月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン