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被災地で宝くじの高額当せんが急増する現象が発生している

 1等前後賞合わせて史上最高額の5億円となったグリーンジャンボ宝くじ。賞金額は増えたが、1枚の価格は据え置きの300円とあって、その売れ行きは「過去のグリーンの比にならないほど」(都内の売り場販売員)とのこと。誰もが気になるのは、「どこで買えば当たるのか」だ。今回のジャンボには、ある「噂」があるという――。

 3月14日まで発売される今回のグリーンジャンボのテーマは「復興支援」。288億円と見込まれる収益金のうち88億円が、被災した9県2指定都市(仙台市、千葉市)へ復興支援金として分配され、災害復興に充てられる。宝くじファンの間にはこんな噂が駆け巡っている。

「3大ジャンボ(ドリーム、サマー、年末)ではないのに、当せん額が史上最高となった。となれば、震災復興というテーマから、高額当せんは被災地で出るのではないか」(50代男性)

 もちろん番号は公開抽せんなので、特定の売り場から当せんを出すことなどできないのだが、震災後に発売されたジャンボ宝くじでは不思議な現象が起きている。

 今回、被災地として指定された9県(青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉、新潟、長野)で出た1等の実績を見ると、一昨年の年末ジャンボの11本から昨年は19本と急増。ちなみに1995年の阪神大震災後も兵庫、大阪で高額当せんが増えていた。

 津波の被害を受けて6月29日まで営業再開できなかった『石巻中里ヨークベニマルCC』は、昨年の年末ジャンボで、12年ぶりに1等を出した。

「しばらくは宝くじの営業を見合わせていたのですが、常連さんから“こんな時だからこそ夢を売ってほしい”との声が届き、再開を決意しました。1等が出て嬉しかったですね」(浅利文雄・店長)

 福島第一原発事故の影響を受けた地域の一店舗も注目だ。福島県いわき市の『平一町目宝くじセンター』の売り場横には、大黒天の祠がある。

「売り場のあるビルが一部損壊し、4月5日まで営業を中止しました。しかし、大黒様にはまったく被害はなく、復興のシンボルとして宝くじファンに勇気と希望を与え続けています」(鈴木久仁夫・店長)

 同売り場では昨年の年末ジャンボで1等当せんが出た。今回も大黒様の力にあやかりたいところだ。

※週刊ポスト2012年3月2日号

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