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《3月末FOMAサービス終了で大混乱!?》ドコモショップで繰り広げられた「老害の見本市」な光景、店員を困惑させる年配客たち 暗証番号わからず「どうにかして」、説明する店員に「最近の若いヤツは気がきかない」

3月末でドコモのFOMAサービスが終了する

3月末でドコモのFOMAサービスが終了する

 3月末の「FOMAサービス終了」に向けてドコモショップに相談に訪れるガラケーユーザーが増えているようだ。ガラケーを12年半使い続けているコラムニストの石原壮一郎氏が機種変更のためにショップを訪れると、驚くべき光景があちらこちらで…。石原氏が「老害の見本市」とも言えるその様子をレポートする。

* * *

「最後のガラケーユーザー」になるまで粘ろうかと思っていたんですけど、12年半使った二つ折り携帯は、ついにバッテリーが力尽きたようです。フル充電しても半日持ちません。名残り惜しいですが、お別れすることにしました。

 3月末の「FOMAサービス終了」まで、あと2ヵ月半。去年の春ごろから「早くスマホに交換しろ。今ならたっぷりサービスしてやる」というダイレクトメールが、何度も届いていました。電話をかけると、まず「こちらはNTTドコモです。お使いの電話は~」とサービス終了が近いことを知らせるメッセージが流れて、それからやっと発信します。

 最近はダイレクトメールだけでなく、時々「もうお手続きはなさいましたか?」という催促の電話もかかってくるようになりました。新しい電話もタダであげよう、ガラケーを使っている家族を連れてきたらそれ相応のポイントをあげよう……など、特典はどんどん増えていきます。もしかしたら高齢者の何割かは、これだけアナウンスされても、何のことかよくわからず今までどおり使い続けているのかもしれません。

「Xデー」の間際になったら、あるいは「Xデー」を越えたら、どんな阿鼻叫喚が巻き起こるのか。それはまたドコモショップをのぞいて確かめることにします。少しの無念さとバッテリーがヘタってしまったガラケーともに、予約を入れた近くのドコモショップへ。

あっちからもこっちからも先輩たちの「無理難題」が聞こえてくる

 平日の昼下がりのドコモショップは、同じようにガラケーの機種変更で訪れたと見られる「先輩たち」がほとんどでした。60歳そこそこの自分なんて、まだまだヒヨッコです。自分を棚に上げますけど、それぞれの理由でギリギリまでガラケーを使い続けている先輩たちは、こう言っては何ですが男女問わずクセが強そうな気配を漂わせています。

 ありがたいことにというか幸運なことにというか、あれやこれやの手続きで2時間ほど滞在しているあいだに、居合わせた先輩たちからたくさんの学びを得ることができました。これからの人生の「指針」をいただいたと言っても過言ではありません。

 隣のカウンターの70代後半ぐらいのお兄さんは、とても声が大きく、聞くつもりはなくても担当の女性との会話が聞こえてきます。

「ⅾカードをご契約いただくと、ご利用料金に応じて毎月ポイントを進呈いたします」

「カードぐらい持ってるよ。ポイントが付くんだったら、そうしてくれ」

「失礼ですが、dカードの番号を確認させていただいてよろしいでしょうか」

「ん、これでいいのか」

「ありがとうございます。……あの、お客様、これはdカードではないようです」

 お兄さんが取り出したのは、他社のカードだったようです。そこまでなら、単なる勘違いですが、お兄さんの真骨頂が発揮されたのはここからでした。

「なんだよ、ダメなのかよ。カードって言ったじゃないか」

「最初からちゃんと教えてくれなきゃ。最近の若いヤツは気がきかないね」

 見事なまでの責任転嫁です。勘違いした恥ずかしさをごまかしたい気持ちもあったのでしょうか。「最近の若いヤツ」とひとくくりにして責めることで、年長者という“権威”を振りかざしたいといういじましい了見も見え隠れします。

 言うまでもなく、担当の女性には何の非もありません。きっと毎日こうしたお客がたくさんきて、さぞウンザリしていることでしょう。理不尽なイチャモンに対して、落ち着いた口調で「申し訳ありません」と謝っています。たいへんなお仕事ですね。

 後ろからは、年配の女性の声が聞こえてきます。何度も「ほら、私もう82だから」とおっしゃっているので、はからずも年齢がわかってしまいました。どうやら古いケータイから新しいケータイにデータを移す作業をしているようです。

「こちらに、端末暗証番号をご入力ください」

「ほら、私もう82だから、数字とか覚えられないのよね。銀行の暗証番号は、たしか……」

「い、いえ、銀行口座の暗証番号ではなくて、こちらの端末の……」

「私、よくわからないから、あなたのほうでどうにかしてくださらない」

 そう言われても、きっとどうしようもないでしょう。担当者は上司に相談するために奥のオフィスに引っ込んで、なかなか出てきません。お姉さんは「ずいぶん待たせるわね。客をなんだと思ってるのかしら」とブツブツおっしゃっています。

 どういう結果になったのかは見届けられませんでしたが、ひとつ確かなのは、担当者はこの客を「困った人」だと思っていることでしょう。自分が原因で店の側が困っているのに、客という立場を笠に着て強気に出られるメンタリティは、ちょっとうらやましい気もします。けっして見習いたいとは思いませんけど。

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