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富士フイルムと米コダック社 自己否定の有無が生死分かれ目

2012.02.26 07:00

 アメリカ企業の多くが業績を伸ばし、日本企業が総じて低迷している。その原因は、「方向の間違い」が、いま日本企業の至るところで起きているからだと大前研一氏は指摘する。数少ない例外の1つは、デジタル化による「産業の突然死」を回避した富士フイルム

 アメリカ企業の多くが業績を伸ばし、日本企業が総じて低迷している。その原因は、「方向の間違い」が、いま日本企業の至るところで起きているからだと大前研一氏は指摘する。数少ない例外の1つは、デジタル化による「産業の突然死」を回避した富士フイルムホールディングスだ。以下は、大前氏の解説である。

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 富士フイルムホールディングスはデジタルカメラの普及で従来のフィルム事業が消滅する危機に直面した時に自己否定し、業績が良い富士ゼロックスの株を買い増して完全連結対象にするとともに、5000人のリストラ、足手まといになるミニラボチェーンの切り捨て、M&Aによる医療や医薬品、化粧品分野への多角化に舵を切って生き残った。

 それらの対応策にはカネがかかったが、富士フイルムは約2兆円の内部留保を持っていたので、そのカネを注ぎ込んで生まれ変わることに成功したのである。

 かたや、富士フイルムと世界市場でしのぎを削っていたアメリカのイーストマン・コダックは舵を切ることができず、経営破綻に追い込まれ連邦破産法11条の適用を申請した。方向を間違えていることに、経営者が気づかなかったのである。

 かつての名門日本企業は、いまコダックのように急坂を転げ落ちている。過去の延長線上に“解”がない以上、勇気とビジョンを持った経営者にバトンタッチして、生まれ変わってもらいたい、と祈るばかりだ。

※週刊ポスト2012年3月2日号

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