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山口美江さん「3日来なかったら気にして」と知人に頼んでた

 51才で急死した山口美江さん。3月8日の午前、電話をしても応答がなかったため、心配して訪ねてきたいとこに発見された山口さんは、リビングで服を着たまま倒れていた。最期は誰にも知られることなく、2匹の愛犬だけが見届けた。そして遺体は死後丸1日経ってから発見されるという孤独死だった。

 山口さんは芸能界引退後、実家へと戻り、父・俊雄さん(享年76)と愛犬との新生活を始める。だが、最愛の父の認知症発症、在宅介護、自身の体調不良と苦悩の日々は続いた。

 自身が直面した父の壮絶な介護を講演会やテレビなどで語るようになると、山口さんの言葉は多くの人から共感を呼び、全国規模で講演依頼が殺到。雑誌のインタビューもオファーが絶えることはなかった。

 実家でおひとりさま生活を始めることになった山口さんだったが、幸いにも彼女には近所に何人かの親戚が住んでいた。しかし一方で、この親戚たちとの関係に山口さんは悩むことになった。

「俊雄さんの介護は、山口さんだけでは手に負えない部分もあって、親戚の人たちもかかわっていました。だから、自分ひとりだけで介護したように語る山口さんを快く思わない人がいたんです。介護は“私たちも頑張ったのに”って」(前出・知人)

 なかでも、親族のひとりAさんとの関係は著しく悪化していた。

「Aさんは俊雄さんを実のお父さんのように慕っていました。だから、俊雄さんがアルツハイマーになったときも、美江さんと同じか、それ以上に真剣に介護に向き合っていたんです。医師が24時間体制で診てくれる病院を紹介したのもAさんでした。

 俊雄さんが亡くなったとき、遺書がなかったと美江さんはAさんに説明しました。遺産は全額美江さんが受け取りましたが、実の親子のようだったAさんにしてみれば、遺書に自分のことが書いてあるんじゃないかと、遺産相続を巡っても、Aさんは美江さんに疑いを抱いていました」(Aさんの知人)

 近年は親しい友人に「あまりいい関係が築けない親族がいて、血が繋がっていてもなかなか難しい」とこぼしていたという山口さん。Aさんとのトラブルが、他の親戚たちとの関係にも影を落とし、自宅を訪れる親族は減っていったという。

 それゆえ、日々孤立していくのをひしひしと感じていた山口さんは、孤独死を恐れていた。肝臓をはじめ健康に不安があったという彼女は、買い物では大型店のスーパーには行かず、毎日商店街へと足を運び、青果店、鮮魚店、精肉店の人たちらと必ず話をするようにしていた。

「3日来なかったら、ちょっと気にしてもらって」

 そう商店街の人に頼んでいたという。

「山口さんは父親のこともあって、以前から自分の体調には気をつけていました。それに、おひとりさま生活だったこともあって、万が一何かあったときのために、遺言も遺し、“お墓は父と一緒に”とか“犬の世話はここにお願い”とか、仲のよいいとこにいろいろ託していたんです」(前出・知人)

※女性セブン2012年3月29日・4月5日号

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