震災後、メッセージ性の高い前向きな曲を歌って人気の3人組グループ「FUNKY MONKEY BABYS」。2月にリリースした『この世界に生まれたわけ』も、人と人との絆をテーマに歌い、ヒットしている。
いま注目を集めるファンモンの魅力について、音楽評論家の富澤一誠氏はこう語る。
「心を動かされる美しいメロディーに加えて、詞はストレートでとても伝わりやすい言葉を使って表現しています。震災後、彼らのまっすぐな思いが曲となって、被災者や落ち込んだ多くの人を励ましたと思います」
ファンキー加藤(33)、モン吉(33)のふたりのボーカルと、DJケミカル(29)の3人で2006年メジャーデビュー。当初、DJケミカルはライブDJとして参加していたが、のちに正式メンバーとして加入。テレビ番組でケミカルはDJプレーはほとんどせず、ふたりの後ろで手を上げたりジャンプしたりしながら、ダンスをするのが定番だ。
「ケミカルのこうしたパフォーマンスによって、グループにエンターテインメント性が生まれていると思います。ファンモンの魅力はある意味では、彼にあるといっていいでしょう。よく“ケミカルは何もやっていないのでは?”などといわれますが、彼は実力のあるDJですし、彼があのパフォーマンスをやっているからこそ意味があると思います。それに、長身のふたりに、小柄なケミカルがいることで、ザ・フォーク・クルセイダーズのように凸凹グループとなりルックス面でもインパクトを与えています」(富澤氏)
3人とも東京・八王子出身。同市の観光大使に選ばれるなど、地元への愛着が強い。こうしたこともファンモンの魅力につながっていると、富澤氏はいう。
「都会に生まれ育った人では、彼らみたいに野暮ったくも思えてしまうような感情をストレートに表現する曲はできないと思います。逆に、都会に憧れているような地方出身のグループだと、自分たちをよく見せようとして“よそ行き”の言葉になってしまう。都会でも田舎でもない八王子出身の彼らだからこそ、ちょうどいい感じの肩肘張らない曲を作れるんだと思う。それが彼らへの親近感にもつながっている」
現在、全国ツアー中のファンモン。ツアーのサブタイトルには「行くぞ日本!!」との言葉が掲げられている。その言葉通り、これらからも日本を元気にしてくれそうだ。