国内

事故後も変わらない東電社員の好待遇 退職金は平均の2倍水準

 7月1日から家庭向け電気料金を平均10%値上げすると発表した東京電力。東京電力としては総額2785億円に達する経営合理化を行い、それでも約6000億円不足するため、やむを得ず値上げするということのようだが、実は、原発事故の前と後を比較して、東電社員の高収入・好待遇はほとんど変わっていない。高卒・大卒あわせた全社員の平均年収は677万円。大卒50才で約1200万円に達する。

 事故後、東電はその収入を「約2割カットした」と発表。“われわれも身を切った”というが、夏冬のボーナスはきちんと支給され、合計で平均77万円だという。

 原発事故で住まいを奪われた避難者が仮設住宅で困窮するなか、社員への年2回のボーナスは削られることはなかった(今夏は廃止、今冬は検討)。

「そもそも2割カットしたといっても平均給与は約550万円、50才で1000万円。民間企業の平均年収はいま400万円ですよ。一般の水準より月10万円以上多くもらいながら、“もう削れません”というのは通らないでしょう」(経済ジャーナリストの荻原博子さん)

 さらに、東電は福利厚生が公務員以上に手厚いことでも知られるが、ここにはほっかむりをしたまま。東電社員の退職金は大卒の管理職が約4000万円、高卒の一般職で約3000万円。いずれも民間企業の平均より1.5~2倍近い水準だ。

 あまりの好待遇を見かねた政府の第三者委員会(東京電力に関する経営・財務調査委員会)は、退職金の引き下げを提案したが、東電はいまだ受け入れていないままである。

※女性セブン2012年6月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン