ライフ

夏の茄子料理 精進揚げ、しぎ焼き、刺身風などをばぁば紹介

 料理教室の生徒を多数かかえ、テレビや雑誌に引っ張りだこの“登紀子ばぁば”こと、料理研究家の鈴木登紀子さん(88才)。そんな鈴木さんが、夏の味覚の代表的食材である“茄子”のおいしい食べ方を紹介する。

 * * *
 南のほうから順番に、梅雨入りの知らせがはいる季節となりました。6月、水無月。無は「の」と読み、文字通り「水の月」の到来です。年々暑くなる時期が早まっているせいでしょうか、夏野菜も駆け足で出回り始めました。ばぁばも負けじと早足でまいりましょう。

 まずはお茄子。いまでは一年中手にはいりますが、つやつやと張りのある鮮やかな紫紺色(茄子紺)は、露地ものならでは。昔は朝露を含んだとれとれは漬けものに、あるいは薄甘く煮てキンと冷やし、お昼のお膳に出したりしたものです。

 また、お茄子は油ととくに仲良しですから精進揚げにしたり、香ばしくしぎ焼き(茄子に油を塗って焼き、練りみそをつけて焼いたもの)もおなじみでした。いまでも夏の夕暮れに、しぎ焼きに使ったごま油の香りがどこからかほのかに漂ってきたりしますと、なんともいえない郷愁を感じます。

 そして、夏といえば焼き茄子。いつでしたか、焼き網が見つからず、試しに金串を打って直火で焼いたところ、なんときれいに焼けておいしいこと! 以来、この方法で焼いております。

 茄子は洗わずに固く絞った濡れ布巾で拭き、へたの下を包丁でくるりと切り取ります。金串2本を打って直火にかざし、上、横、ひっくり返してと焼いて、すぐに氷水に放して、手早く皮をむきます。

 真っ黒になった皮の下に潜む瑞々しい翡翠色の実を、しょうがじょうゆでいただきますと、梅雨の鬱陶しさも吹き飛びますわね。

「茄子の刺身風」も、おすすめの一品です。茄子を丸のままゆで、重しをのせて水けを切り、刺身のように4~5mmに切ってよく冷やします。きゅうりやみょうが、わかめ、青じそ、さらしねぎなどを薬味風にたっぷり添えて、辛子じょうゆでいただきます。作りおきにも最適ですよ。

※女性セブン2012年6月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン