ライフ

火葬ではペースメーカーが爆発し火葬場職員が怪我することも

 みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイ ブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、最近見学を行なったという“火葬炉”について解説する。

 * * *
 人生初の火葬炉工場見学は驚きの連続だった。通常の火葬施設では、遺族であっても火葬炉手前の前室までしか覗くことができないが、今回は、火葬炉の内部を見ることができた。

 火葬炉専門メーカー富士建設工業の首脳陣は、火葬時に棺に入れてほしくないものなど、色々なことを伝授してくれた。

 まず、金属類。代表的なものはメガネだ。普段メガネをしている人が、亡くなってメガネなしで棺に入ってると、最後のお別れの際に顔の印象が違っていて、とまどうことがある。だが、メガネをかけたまま、火葬してしまうと、溶けたメガネが遺骨に張りついてしまうことが多いらしい。

 1000度前後の高熱では、メガネ程度の金属は溶けてしまうというわけだ。これはちょっと怖いね……。

 そういえば、5月14日の朝日新聞には不整脈学会が、ペースメーカーをつけた遺体の受け入れ態勢や、破裂による火葬場職員のケガの実態について調べることになった――ということが報じられていた。

 何も知らずに火葬をすると、炉内で爆発することがあり、火葬場職員がケガをすることも実際あるらしい。ペースメーカーをしている人には対応策があるそうなので、事前の申告は必須なんだとか。

 そういえばウチのおじいちゃんも、ピース缶を蓋をしたまま棺に入れたら、破裂して大変なことになったことがあったわ。火葬直前の一時は遺族にとって、故人との最後の別れの場でもある。棺に故人の大好きだったものを入れたいと思うのは人情だろう。

 だが、ガラス類は金属同様に溶けて遺骨に張りついてしまうし、故人が好きだったからといって、一升瓶を入れたりするのは、慎んだ方がいいらしい。化繊のぬいぐるみなんかも同様だ。そういえば、葬儀社の人が化繊の経帷子(死装束)は、選ばない方がいいですよっていってたけど、そういう理由なんだな。

※週刊ポスト2012年6月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト