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「男の座りション」義務化論争は次の選挙を考えたアピールか

 スウェーデンの田舎町で街を二分する大論争が勃発した。同国南東部にあるセルムランド市議会では、ビゴ・ハンセン議員(52)の「男は座り小便をせよ」という提案が大マジメに議論されている。ハンセン氏が語る。

「条例化を目指すものではなく、あくまで“意見”です。スウェーデンには男性トイレに大便所が非常に少なく、そこで立ち小便をすると汚れて不衛生になる。だから座るのが望ましいと述べたのです。多くの女性議員は賛成してくれていますが、男性議員の中には怒り出す人もいました」

 この提案では、座りションは「尿の排出効果が高く、膀胱の負担を軽減できる。前立腺への悪影響が減り、性機能面でも良い効果が得られる」と医学的側面からも説明。従来の「掃除が大変かどうか」から、“一歩前”に踏み込んでいる。

 これが住民の間で話題になった。「我が家でも夫に座らせる」(主婦)という賛意の一方、「極端な提案。座るかどうかは本人の自由だ」(男性会社員)という徹底抗戦派も現われた。

 もっとも、背景にはこんな理由もあるという。

「スウェーデンは国会議員に占める女性の割合が世界1位の40%台後半で、女性の政治進出を売りにしている面がある。女性に配慮することで、次の選挙を考えたアピールとも見られている」(同国の新聞記者)

※週刊ポスト2012年7月6日号

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