国内

大阪市は「たこ焼き市」名乗ったらどうかとコラムニスト提案

 昨年、香川県が「うどん県」に“改名”したことは大きな話題となった。さらに高松駅までも「さぬき高松うどん」駅と名乗る。特産物を全面に押し出すのは地域活性化の常道だが、名前まで変更する衝撃度は高い。他にどんな地域名の変更が考えられるだろうか。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が、「さぬき高松うどん駅」に地方を活性化する大人の智恵を説く。

 * * *
 日本の各地には、たくさんのおいしいものや素晴らしい場所があります。それぞれの地方を活性化させることが、日本を活性化させる近道に他なりません。明日の日本をたくましく切り開いていくヒントになりそうなのが、讃岐うどんで知られる香川県の試みです。

 去年の秋に観光協会が「香川県は『うどん県』に改名しました」と発表。その流れで、JR四国の高松駅も「さぬき高松うどん駅」を名乗っています。さらに、7月11日の「めんの日」から、高松駅限定で「『さぬき高松うどん駅』記念入場券」の販売を開始。「釜玉うどん」「ぶっかけうどん」など、うどんをモチーフにした5種類のデザインがあり、価格は160円。それぞれ1万枚限定で売り切れ次第終了とか。

 じつに楽しい試みです。さあ、ほかの地域も香川県に続きましょう。大きいところで、たとえば大阪駅は「ナニワ大阪たこ焼き駅」、名古屋駅は「尾張名古屋きしめん駅」、博多駅は「福岡博多明太子駅」でしょうか。水戸駅は「常陸水戸納豆駅」にして、納豆の香り付きや、いっそのこと食べられる入場券を売り出したら、話題になるに違いありません。

 駅だけでなく県や市の名前も、大阪市が「たこ焼き市」を名乗ったら、日本中にかなりの衝撃を与えます。とりあえず世間に衝撃を与えて話題になることが大好きな橋下市長に、ぜひご検討いただきたいもの。必ずや、大阪復興の切り札となるでしょう。

 真剣な話をしているときに私情をはさんで恐縮ですけど、自分の故郷の三重県についても考えてみたいと思います。私が生まれた松阪市の名産は、何といっても牛肉。シンプルに「松阪牛駅」にして、発車のベルは「モ~~」という牛の鳴き声、駅員さんのアナウンスも「1番線に列車が入りますモ~」「電車、遅れましてもウシわけありません。ウッシッシ」としてくれたら、全国から少なくとも鉄道ファンは殺到すること間違いなし!

 お隣の伊勢市の名物と言えば、江戸時代から伊勢神宮の参拝客に愛されてきた伊勢うどん。太くてやわらかい麺に黒いツユを少しかけて、よくからませて食べます。伊勢市駅は、法則に当てはめると「伊勢伊勢市伊勢うどん駅」ですけど、ややこしいので「伊勢うどん駅」でいいことにしましょう。讃岐うどんとは対照的な食感ですが、初めて食べた人はそのやわらかでやさしいおいしさに激しい衝撃を受け、それまでの「うどんはコシが大事」という偏った思い込みから解き放たれ、ひとまわり太い大人になれます。

 すいません、話がそれました。地方を活性化する話でしたね。しょせん香川県の二番煎じと言ってしまえばそれまでですけど、日本を元気にするためですから細かいことを気にする必要はありません。香川県だって、うどんのような太く長い心で許してくれるはず。お住まいの街や故郷の駅が改名するならどんな名前がいいか、一度、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。活性化はさておき、魅力を再発見することにはつながるはずです。

トピックス

打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
第75代横綱・大の里(写真/共同通信社)
大の里の強さをレジェンド名横綱たちと比較 恵まれた体格に加えて「北の湖の前進力+貴乃花の下半身」…前例にない“最強横綱”への道
週刊ポスト
地上波ドラマに本格復帰する女優・のん(時事通信フォト)
《『あまちゃん』から12年》TBS、NHK連続出演で“女優・のん”がついに地上波ドラマ本格復帰へ さらに高まる待望論と唯一の懸念 
NEWSポストセブン
『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン