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若者の消費離れ「嘆くより自らの愚かさも省みろ」と小田嶋隆氏

 内閣府の「平成23年度国民生活に関する世論調査」によると、20代の73.5%が今の生活に満足しており(「満足」が12.9%、「まあ満足」が60.6%)、この割合は他のどの年齢層よりも高い。

 ニッセイ基礎研究所生活研究部門研究員の久我尚子氏が話す。

「正社員でも、昔は50代後半まで給与が上がり続けたのに、今は40代で頭打ち。今の若者はそれを見ているので、借金してまで高額商品を買うという感覚がないのです」

 ただし、カネを使わないからミジメな生活をしているとは決めつけられない。今はユニクロのように安くても品質の良い商品、牛丼やハンバーガーのように安くてもそれなりに美味しい食事が増え、ネットの通信料も安い。

「上の世代にとっては良いモノ=高いモノで、お金を使うと満足感があるのですが、今の若者はお金を使わないでも楽しめるのです」(久我氏)

 コラムニストの小田嶋隆氏も話す。

「今のオヤジ世代は、若い頃、『これを持っているとカッコイイ、モテる』とメディアに踊らされ、『金離れの良さ=都会的』と勘違いしていたが、それは経済成長の恩恵を受けていたからこそできたこと。

 それに対して今の若者は、仮に買えるカネがあっても、必要がなければ買わない。バブル崩壊後の生き方として賢いし、健全です。オヤジ世代は、若者の消費離れを嘆くだけではなく、自分たちの愚かさも省みるべきです」

※SAPIO2012年9月19日号

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