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金本知憲他 プロ野球選手の引退遅くなった背景に年俸高騰も

 9月12日、連続フルイニング出場の世界記録を持つ阪神・金本知憲(44)が21年間に及ぶ現役生活にピリオドを打つことを表明した。今年はすでに、ソフトバンク・小久保裕紀(40)や広島・石井琢朗(42)も引退を発表しており、球界を引っ張ってきたOver40のベテランが身を引くことになる。

 ここ数年、プロ野球界は40歳を超えてもプレーする選手が多くなっているが、かつてはほとんどいなかった。40歳で引退を決意した王貞治(巨人)や衣笠祥雄(広島)は特例といっても良いほどの存在だった。

 1990年代まではボロボロになってまでプレーするよりも、余力を残す形で辞める選手が多かったが、2000年代になってから、選手の寿命が延びた。これには、トレーニング方法や治療法の進歩が挙げられるだろう。

 だが、もっと根本的な問題があると指摘するのは、スポーツ紙野球担当記者だ。

「昔は有名選手であればあるほど、現役でいるより解説者になったほうが儲かっていた。テレビの専属契約を結べば年に数千万円入るし、講演会をすれば1本3桁(100万円)は稼げた。くわえて現役選手の年俸自体も低かった。

 しかし、今は現役でいたほうが儲かる。仮に年俸が5億円まで上がれば、たとえ50%ダウンでも、まだ2億5000万円ももらえる。テレビやイベントの仕事は昔ほど儲からないこともあって、現役を辞めたあと、同額を稼ぐのはどんな名選手でも厳しい。現役にこだわる選手が増えた理由の1つだと思います」

 たしかに、世の中の不景気に反し、野球界は今もバブルが終わっていない状態。昔と比べて世間の注目度が落ちているにもかかわらず、年俸は上昇するばかり。選手の寿命が延びている背景には、そんな理由もあるようだ。

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