小久保裕紀一覧

【小久保裕紀】に関するニュースを集めたページです。

工藤監督と小久保ヘッドの間に距離?(時事通信フォト)
低迷ソフトバンクを悩ませる工藤監督と小久保ヘッドの“二頭流”問題
 今シーズンのパ・リーグは、昨年最下位のオリックスが首位を快走。日本シリーズ4連覇中の王者・ソフトバンクはBクラスに沈んでいる(7月14日終了時点、以下同)。今シーズンからヘッドコーチに就任し、選手の起用も含めた攻撃面の采配を一任されている小久保裕紀氏(49)は、借金生活に入った10日、「なりふり構っていられないところまで来ている」と、悲壮感を滲ませた。「低迷の原因は貧打です。防御率はリーグ1位ですから、小久保ヘッドの采配に問題がある。昨年は工藤公康監督(58)が選手の状態を見ながら100通り以上のオーダーを組んだが、小久保ヘッドは松田宣浩(38)や今宮健太(29)ら不調の選手をスタメンから外さない。 小久保ヘッドは侍ジャパンの監督経験者でもあり、工藤監督もなかなか口出しできない。さすがに交流戦前にしびれを切らして、工藤監督が2番に甲斐拓也(28)を抜擢するなどテコ入れを図りましたが、交流戦の打率は11位の2割3分3厘で終わった。工藤監督と小久保ヘッドの距離は開くばかりで、若い選手も工藤監督を見ればいいのか、小久保ヘッドを見ればいいのか浮き足立っている」(ソフトバンク担当記者) この状況に気を揉んでいるのが王貞治会長(81)だという。1995年、ダイエーの監督に就任した王会長は2年目の小久保を全試合で起用し、本塁打王を獲得させるなど師弟関係の深さは広く知られている。「工藤監督は2年契約の最終年で、王会長は小久保ヘッドを次期監督として育てようとして“二頭体制”を敷いた。小久保ヘッドは選手の起用法についても、インタビューでは決まって“王会長から現役時代にこう言われてきた”と口にします。 王会長も開幕前は『彼(小久保ヘッド)が先頭に立ってやってくれたら、みんなも付いてくる』と背中を押してきたが、さすがに風向きが変わってきた。最近、小久保ヘッドに直接、“不調ならスタメンを変えるべき”とアドバイスしたと聞いています。Bクラスで終わることがあれば監督への昇格も厳しくなるだけに頭を悩ませているようです」(球団関係者) こちらの“二頭流”はなかなか結果が出ない。※週刊ポスト2021年7月30日・8月6日号
2021.07.19 07:00
週刊ポスト
ヘッドコーチに就任した小久保裕紀氏がチームにどんな影響を?(時事通信フォト)
城島と小久保、熾烈なSB次期監督争い 不仲が選手に悪影響も?
 4年連続日本一と黄金時代を迎えている福岡ソフトバンクホークス。史上初の無観客開催となった今年のキャンプでは、選手そっちのけで“次期監督争い”に注目が集まる。これまで城島健司・王貞治会長付アドバイザー(44)が有力視されていたが、今季から小久保裕紀氏(49)がヘッドコーチに就任した。「小久保ヘッド就任は王会長マターの人事と言われています。次期監督候補でありながら、なかなか気合が入らない城島アドバイザーのカンフル剤という側面があると見られています。実際、城島アドバイザーは新人合同自主トレに顔を出すなど昨年よりやる気を見せていた」(ソフトバンク球団関係者) だが、この次期監督争いが、肝心の選手にとってどう働くか、疑問の声があがっている。「現役時代の2人はチームの主力ながら会話らしい会話もなかった。小久保ヘッドもテレビ番組で、“現役時代に一度も食事をしたことがない”と告白しています。お互い打撃論には自信があるだけにどこまで選手の指導法でコミュニケーションをとれるか。まさか足の引っ張り合いはないと思いますが……」(同前)※週刊ポスト2021年2月19日号
2021.02.11 11:00
週刊ポスト
イチローは引退後も打撃の求道者であり続けるのか(時事通信フォト)
イチローはなぜ引退後もトレーニングを続けるのか
「多分明日もトレーニングはしていますよ。じっとしていられないから、動き回ってますね。ゆっくりしたいとかは全然無い。動き回ってますね」──3月21日、イチローは引退会見で「これからは、野球に費やしてきた時間とどう向き合うか」と聞かれ、平然とこう言った。 イチローと親交のある和田アキ子は、『アッコにおまかせ!』(TBS系)で24日朝に電話で話したことを打ち明け、「何してたの?って言ったら、トレーニングしてるって。試合には行かないけど、健康のためにはトレーニングは必要だって」と会話の内容を披露した。だが、本当に“健康のため”だけに体を動かしているとはにわかに信じ難いだろう。 なぜ、イチローは引退後もトレーニングを続けるのか――。 日米通算4367安打という大記録を打ち立てたイチローの気持ちを理解できるのは、同じような境遇に立つことができた者だけかもしれない。 イチローが尊敬してやまない“世界のホームラン王”である王貞治は、1980年11月4日に引退を表明。会見の最後、王はこう語っている。〈バッティングは難しい。自分のタイミングで自分のポイントでいかに球をとらえるか、二十二年間やりましたが、つかみきれないまま、きょうを迎えました〉(毎日新聞・1980年11月5日付) 空前絶後と思われる通算868本塁打を放った王でさえ「バッティングは難しい」という言葉を残して、現役生活にピリオドを打った。 引退と同時に巨人の助監督に就任した王は、会見翌日、多摩川グラウンドに姿を見せると、おろしたての圧縮バットを手にケージに入り、40スイングでサク越え5本を記録。現役最後となる東西対抗戦や秋のオープン戦が控えていたとはいえ、引退直後も現役時代と同じように練習に励んだ。〈習性だね。あれこれ考えて打ったよ。バットの一か所で打てたし、シーズン最後よりずっと飛ぶ。きのうは4-0だったから──なんて思わないから気分よく打てたのかな。上出来〉(報知新聞・1980年11月6日付) このコメントからわかるように、王の打撃への追求心は消えていなかった。 同年11月8日に行われた東西対抗戦では4打数4安打と大爆発。7回表には中日・小松辰雄の145キロのストレートを捉え、逆転3ランを放つ。14日からの阪神とのオープン戦3連戦には4番・一塁で先発出場。最終打席となった16日の5回裏、宮田典計の直球を叩くと、打球は右翼席上段へ。公式戦、オープン戦、日本シリーズ、オールスター戦、東西対抗戦など、日本球界で“通算1032号”となる豪快な一発で幕を閉じた。引退会見後も、打撃について考え続けた結果、生まれた一撃だったのではないか。 ロッテ時代の1982年、1985年、1986年と3度の三冠王に輝いた落合博満は、イチローの引退に関しての取材で〈45歳になる年まで現役だった俺の経験でいうと、実績を残し続けることで、アドバイスしてくれる人が周りに居なくなった。それにいちばん苦労した〉(朝日新聞・2019年3月24日)という大打者なりの苦悩を挙げ、自身の衰えをどうカバーすれば良かったかを語っている。それは、現役を退いた後にわかったという。〈若い時分には到底分からない。30代のベテランでも理解できないだろう。俺が気づいたのは、ユニホームを脱いで何年も経ってからだった。でもな、自分の経験をいつか後輩たちに伝えられれば、それはそれで財産なんだろうなと思う〉(同上) 引退しても、落合はなぜ自分が現役晩年に打てなかったのか考え続けていたのだ。 思えば、イチローは会見で「引退を決めた、打席内の感覚の変化は?」と問われると、「いる? ここで。裏で話そう、後で(笑)」とおどけて見せた。引退会見で衰えや打撃について真面目に語っても一般受けすると思わなかったのか。それとも、照れ隠しなのか。 きっと、イチローは引退後もトレーニングをしながら、どうして自分が打てなくなったのかを考えているはずだ。 プロ野球史に名を残す大打者たちは、表舞台を去った後も頭から離れなかった打撃理論を後進に伝えている。王は巨人、ダイエー・ソフトバンクで計19年間監督を務め、吉村禎章、小久保裕紀、松中信彦などの打者を育てた。落合も中日の監督生活8年間で和田一浩や森野将彦などに卓越した理論を伝授している。 イチローは引退会見で、「監督は絶対無理ですよ。これは絶対がつきますよ。人望がない。本当に。人望がないんですよ、僕。いやぁ無理ですね。それくらいの判断能力は備えているので」と口にした。 人望がないはずはないが、たとえ監督でなくても、プロであってもアマチュアであっても、ぜひともイチローの技術を野球界に伝承していってほしい。(文中敬称略)●文/岡野誠:ライター・芸能研究家。研究分野は田原俊彦、松木安太郎、生島ヒロシ、プロ野球選手名鑑など。本人へのインタビューや関係者への取材、膨大な資料の緻密な読解を通して、田原俊彦という生き方を描いた著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)が話題。
2019.03.28 16:00
NEWSポストセブン
丸佳浩の入団会見で笑顔を見せる原辰徳監督(写真:時事通信フォト)
ジャイアンツ愛はどこに? 生え抜き重視だった原監督の変貌
 FAで広島から丸佳浩、西武から炭谷銀仁朗、その他にもオリックスを自由契約になった中島宏之、元マリナーズの岩隈久志を獲得するなど、今オフの補強に余念のなかった読売ジャイアンツ。しかし、FAの人的補償として広島に長野久義、西武に内海哲也という生え抜きの主力選手が流出したことで、ファンからは惜しむ声が続出している。 3度目の巨人監督就任となった原辰徳監督は1月8日、客員教授を務める国際武道大学で特別講義を行なった際、「勝負の世界は足し算ばかりではない。引き算で長野、内海はいなくなったが、トータルで答えが出たときにどういう結果になるか。これが勝負」と話した。野球担当記者が話す。「何かを得れば、何かを失うのがFA制度ではある。たしかに丸は大きな戦力に間違いないですし、ここ数年の成績を比べれば長野より上です。しかし、プロ野球を人気商売と考えた時、長い間、巨人に貢献してきた長野や内海の流出をファンがどう思うか。圧倒的にその視点に欠けているといわざるを得ないでしょう」(以下同) 巨人の“生え抜き軽視”は今に始まったことではない。FA制度が出来ると、1994年に中日から落合博満、1995年にヤクルトから広沢克己が移籍してきた。この時、最も割を食ったのは、他ならぬ生え抜きのスター選手である原辰徳自身だった。「長嶋茂雄監督就任1年目の1993年、原は4番を任されていたものの、絶不調に陥り、入団以来12年連続で続けていた20本塁打以上の記録も途切れます。すると、長嶋監督はFAで落合を獲得し、4番として起用し続けた。1994年、ケガで出遅れた原ですが、復帰戦で本塁打を放つなど67試合で14本塁打、規定打席不足ながらも打率2割9分とそれなりの成績を残した。しかし、このシーズンで8年ぶりに犠打を記録するなど、長嶋監督から全幅の信頼を置かれていないことも伝わってきました。翌年5月のヤクルト戦では、9回一打同点の場面で、代打を送られるなど原のプライドを傷つけるような起用もありました。結局この年限りで原は現役を引退しています」 このような経験がある原だからこそ、生え抜きの気持ちがわかるはず、だった。実際、監督就任1年目の2002年には斉藤宣之や鈴木尚広など長嶋政権化でくすぶっていた若手を抜擢。ベテランの桑田真澄を復活させるなど絶妙な采配が功を奏し、見事日本一に輝いた。「この年、巨人戦の視聴率が上向いた。優勝したこともあるが、生え抜き選手を上手く起用したことが大きく関係したと思います。原監督退任の翌2004年、小久保裕紀やタフィ・ローズなど他球団から来た選手ばかりの打線になると、視聴率は下落していった。優勝できなかったこともあるでしょうが、寄せ集めのチームより、自前で育てて勝つというドラマをファンは望んでいたとも捉えられる。 原監督の価値観を変えたのは、2度目の監督就任となった2006年でしょう。開幕ダッシュに成功したものの、交流戦で失速。8連敗を止めたかと思えば、10連敗。それをストップした直後に9連敗するなどチームの弱体化は明らかで、結果として4位に終わった。以降、生え抜きと移籍組関係なく、『実力至上主義』を打ち出し、『上手い選手はいらない。強い選手が欲しい』と口にするようになった」 原監督は翌2007年からの9年間で6度のリーグ優勝を果たした。そして、今年4年ぶりに巨人のユニフォームに袖を通すことになる。「原監督の現役時代を知る往年の巨人ファンからすれば、生え抜きを育てながら計7年で4度優勝した藤田元司監督を原監督に重ねながら見ていた部分もあった。原監督就任1年目のキャッチフレーズだった“ジャイアンツ愛”という言葉を、ファンはこそばがゆく感じながらも、どこか嬉しい気持ちで聞いていたと思います。しかし、今の原監督から“ジャイアンツ愛”という言葉は聞かれなくなった」 勝負の世界は勝てば官軍、負ければ賊軍といわれる。しかし、プロ野球はエンターテイメントでもある。ファンは勝利を求める一方で、現在の原監督に“ジャイアンツ愛”も求めているのかもしれない。
2019.01.12 16:00
NEWSポストセブン
巨人のFAは成功か? “失敗”を経験した堀内恒夫氏が採点
巨人のFAは成功か? “失敗”を経験した堀内恒夫氏が採点
 広島から丸佳浩、西武から炭谷銀仁朗、オリックスから中島宏之、メジャーからビヤヌエバを獲得。過去、12球団最多となる24人をFAで獲ってきた巨人が今年も新戦力を買い漁っている。もちろん、優勝できれば言うことはない。だが、ファンは過去に何度も期待を裏切られてきた。 2004年の巨人は近鉄からローズ、ダイエーから小久保裕紀とパ・リーグ本塁打王経験者を同時に獲得しながら3位に沈み、翌年には5位にまで転落した。当時の指揮官、堀内恒夫氏は自身の経験を踏まえ言う。「今年の巨人は積極的に獲っている。しかし、これは補強とは言えません」“失敗”を経験した者だけに見える欠陥について、堀内氏が語る。 * * * 足りないポジションを補うのが補強で、足りているところに連れてくるのは強化でしかない。同じところに同じタイプを連れてきてもしょうがないんですよ。 今の巨人でいえば捕手。炭谷を獲ってどう使うつもりなのでしょう。小林誠司が伸び悩んでいるのは事実で、その刺激になるようにということかもしれないが、その役割に1億5000万円は高すぎる。阿部慎之助も捕手に復帰するし、昨年のドラフトで獲得した大城卓三と岸田行倫、3年目の宇佐見真吾もいる。 前ヘッドコーチの村田真一が、若い捕手を使ったり使わなかったり、コロコロ変えてきたからでしょう。その反省を踏まえるべきなのに、今度は宇佐見の背番号27を奪って炭谷に渡す。やっていることがよくわかりません。捕手を獲るよりもっと補強する場所があるんじゃないか。ファンもそう思っていますよ。 広島からFA宣言した丸の獲得交渉では、5年契約で35億円なんて数字がスポーツ紙に躍りました。確かに丸は2年連続リーグMVPと素晴らしい選手ですが、報道通りの年俸で獲得すればチームの中が大変なことになると思う。数字が本当なら、丸の年俸は7億円。年俸3億5000万円の坂本勇人の倍になる。2人の実力にそれほどの開きがあるのか。選手間のバランスがおかしくなることが、気になってしまいます。◆小久保獲得で不協和音が──堀内氏がこう言うのは、ローズ、小久保を獲得した時の苦い経験からだ。 当時の巨人は、とにかくバランスが悪かった。私は監督就任直後、球団に小久保を獲ってほしいとは言ったが、すでにペタジーニや清原(和博)がいた。1人しか使えない一塁手が2人も3人もいてもしょうがない。補強で獲得したのに使ってもらえないとなれば、色々と不協和音が生まれてくるんです。それにスラッガーとしてローズも獲ることが決まっていて、起用の幅が限られる。 打線には1番から8番まで役割がある。そのバランスが取れていないと長丁場のペナントでは勝てません。長距離打者ばかり並べれば、エンドランや盗塁のサインも出せない。私の時は、ベンチでずっと本塁打を待っていました。打てば大量点差で勝てるが、打てないときは手も足も出ない。 就任したときは“投手を中心とした守りの野球をしたい”と言っていたが、勝つことが宿命の巨人では5年後、10年後を見据えたチーム作りがなかなかできない事情もあり、チームを変えるには時間が必要だった。言い訳にしかなりませんが。◆菅野ばかりに重圧が 来季、一番心配なのは投手です。先発が菅野智之しかいない。彼は絶対的なエースだが、毎日投げるわけにはいきません。補強ならまず投手を補うべきだった。 オリックスからFA宣言した西勇輝や自由契約になった金子千尋に手を挙げるのかと思ったが動かなかった。投打のバランスが悪いままなら、まず勝てません。 外国人選手はギャンブルです。パドレスで20本塁打のビヤヌエバを獲得しましたが、日本の野球に合うかはやってみないと分かりません。私の時には新外国人のミセリが開幕戦でリリーフに失敗。4連敗してチームがおかしくなった。投手は投球を見れば実力がわかるので、優秀なリリーフを獲得することに力を入れるべきです。──投手陣への心配はほかにもある。自身がかつて背負ったエースナンバー、18を菅野が継ぐことだ。 これは菅野にとって冒険です。巨人で結果を出さないといけないのは18番だけというぐらいこの番号は重く、勝てないと批判される。巨人は18番がマウンドで相手をねじ伏せてこそチームに勢いが出る。18番が勝つと1勝が2勝にも3勝にも感じる。プレッシャーはあるでしょうが、菅野にはその期待に応えてもらいたい。──堀内氏は最後にこう巨人のFA戦略を総括する。 結局、FAは若手を育てるまでの時間稼ぎでしかない。そういう意味でFAを活用するならいいんですが、FA選手と長期契約を結んで何年も主力で働いてもらおうとするから若手が育つ土壌がなくなってしまう。今の巨人は私が引き継いだ時より若手が育っているだけに状態はいいと思う。それだけに若い芽を摘むようなことだけはしちゃいけない。背番号を炭谷に奪われた宇佐見がやる気になってくれることを期待したいね。※週刊ポスト2018年12月14日号
2018.12.03 07:00
週刊ポスト
東京五輪の侍ジャパン 「イチロー総監督」電撃就任プラン
東京五輪の侍ジャパン 「イチロー総監督」電撃就任プラン
 球史に前例のない“特別ポスト”に就任したイチロー(44)は、これからどんなキャリアを歩むのか──来季以降は再び出場の可能性が残ると報じられているが、関係者の間では“再来年の大舞台”を用意するシナリオが浮上している。 今回のシアトル・マリナーズ会長付特別補佐就任は“事実上の現役引退”という見方が主流だ。MLB評論家の福島良一氏はこう解説する。「チームの宝であるイチローに敬意を表するためにフロントの肩書を与え生涯契約を結んだ。そして本人が希望する“50歳まで現役生活を続ける”という目標達成の可能性も形の上で残したということです」 オリックス時代のコーチであり、“振り子打法”を二人三脚で考案したイチローの育ての親・河村健一郎氏も、寂しそうにこういう。「イチローの衰えは明らかです。右手のグリップが緩んでいるから、バットを振り切れずにポンと当てにいくバッティングになっている。ここ7年間、3割を打てなくなっていることがそれをよく物語っています。守備力は落ちていませんが、ベンチ入りの中にこの年齢の守備要員はいらないという判断なのでしょう」 そう分析した上で、イチローの今後について、こんな見方をする。「もともとイチローは天才ではなく努力の人。つねに前に向かっているため達成感や満足感がない。だからこそ発する言葉が難しく聞こえるんでしょう。 この先、そうした姿勢を指導者として若い選手に見せてほしい。愛国心の強いイチローだからこそ自国開催の2020年東京五輪で日本代表監督を引き受けてほしい。ただ現在の代表体制を覆してまでやるという性格でもなく、悩ましいところです」◆選手兼監督でも! 現在、日本代表「侍ジャパン」の監督を務める稲葉篤紀氏(45)は昨年7月に就任したばかりで、東京五輪を含め第5回WBCが開催される2021年までの4年契約が結ばれている。 それでも“イチロー監督”待望論は多方面から聞こえてくる。辛口評論で知られる江本孟紀氏もその一人だ。「侍ジャパンの監督に求められるのは、とにかく求心力。今の代表はイチローを見てプロに憧れた世代なんです。これまでイチローは自分のことしかやってこなかったのだから、球界のリーダーとして残るためには、人のために何かやるべきです。本人のキャリアのためにも最高のチャンスじゃないですか」 イチローの“哲学”を踏まえるとあり得ない話ではないとするのは、かねてから親交のある落語家のヨネスケ氏だ。同氏はマリナーズに移籍後、オリックス時代のイチローの考えを聞く機会があったという。「将来的にFAでの巨人入りも視野に入れていたと言っていました。理由を聞くと、“弱い巨人をボクの力で立て直したかった”と。“強いヤツを倒す”というのが彼のポリシー」 侍ジャパンはWBCでも2大会連続ベスト4で、今は“チャレンジャー”の立場だ。「代表を率いるのもいいんじゃないですか。ただし、監督でなくてプレイングマネージャー(選手兼任監督)でね。50歳まで現役を続けるんですから」(同前) イチローの影響力は計り知れない。2008年、翌年に控えた第2回WBCの監督選考において体制検討会議で主流を占めた「現役監督は難しい」という意見に対し、イチローは「現役監督から選ぶのが難しいというなら、本気で最強チームをつくろうとしているとは思えない」と待ったをかけた。 この意見に松坂大輔やダルビッシュ有ら主力選手も賛同を示した結果、北京五輪を率いた星野仙一監督は就任を固辞し、現役監督として巨人を率いていた原辰徳氏が就任した過去がある。 そのWBCでイチローは、決勝の韓国戦で優勝を決める“伝説の一打”を放った。だからこそ、自国開催の五輪を戦うチームを率いるに相応しい──そんな声があがるのは、ある種の必然だろう。◆稲葉監督も譲る? 現在の稲葉監督の体制に、不安の声があるのも事実だ。「性格が優しすぎるんです。負けたら終わりの国際試合では時に冷徹な判断が必要になります。果たしてそれができるか。支えるコーチ陣に金子誠ヘッドコーチ、建山義紀投手コーチと日ハムOBが多いのも、稲葉監督の繊細さを気遣ってのことでしょう。他チームの選手から、やりづらさを訴える声も出てきている」(スポーツ紙デスク) スターの集まる代表だからこそ、指揮官がチームを一つにまとめるのは難しい。「ONクラスの指揮官ならメジャーの現役選手を含め誰にも文句を言わせず堂々と采配が振るえますが、山本浩二氏や小久保裕紀氏にはそれができず、結果を残せなかった」(スポーツライター広尾晃氏) イチローならば、そうした懸念と無縁であることはたしかだ。江本氏はこんな提案をする。「稲葉は日ハムの監督をやればいい。黙って譲ると思いますよ。イチローが気にする? それならイチローが総監督になればいい。稲葉と2人で世界一に導いて球界を盛り上げるべき」 実現すればまさに東京五輪に相応しい顔ぶれだ。※週刊ポスト2018年5月25日号
2018.05.14 16:00
週刊ポスト
ビデオ判定に揺れるプロ野球 テニスはCG判定で審判失業か
ビデオ判定に揺れるプロ野球 テニスはCG判定で審判失業か
 日本のプロ野球では2010年にビデオ判定が導入された。ただ、審判は必ずしも監督の求めに応じる必要はなく、2010年には小久保裕紀(当時ソフトバンク)の大飛球のファウル判定について、審判団が秋山幸二監督のビデオ判定要求を拒否する“事件”が起きたこともある。 そうした事態を防ぐ意味もあり、今季から、メジャーリーグの「チャレンジ」制度にならい、監督が1試合に2度、ビデオ判定を要求できる「リクエスト」制度が導入される。ルールブックに、リプレーの検証要求が明文化された。 技術革新で変わるルールもある。テニスのグランドスラムにおいて、CGによるイン・アウト判定(2006年~)で有名となったのが「ホーク・アイ」だ。英国「ホーク・アイ社」(2001年創業)が開発し、現在は日本のソニー傘下にある。ホーク・アイ・ジャパン代表の山本太郎氏が語る。「ホーク・アイにはふたつの大きな役割があります。ひとつがボールトラッキング。高弾道ミサイルの追跡技術から着想を得て、試合場の周りに設置したカメラを使って、ボールの位置情報をCGでミリ単位で再現する。テニスのイン・アウトの判定をはじめスポーツの白黒をはっきりさせる場面に用いられます。もうひとつは、ビデオ判定。こちらは撮影された映像をリプレーして試合を捌く審判を補助する役割を担います」 すでに海外の一部の大会では、線審(最大9人)をゼロにして、ラインジャッジはすべてホーク・アイが判定する試みも行われている。そのうち、試合後に主審と選手が握手するシーンもなくなるかもしれない。 現在、同社の技術は、バレーボールやラグビーなど20種類以上の競技に活用されているという。デジタル化のうねりによって、スポーツのルールが変更される時代に突入している。●文/柳川悠二(ノンフィクションライター)※週刊ポスト2018年3月2日号
2018.02.23 16:00
週刊ポスト
プロ野球背番号 過去の名選手と違う番号を選ぶ新人が増加
プロ野球背番号 過去の名選手と違う番号を選ぶ新人が増加
 ルーキーへの期待の大きさを表すのが背番号だ。今オフ最も注目されていた日本ハム入りが決まった清宮幸太郎は「21」を背負うことになった。日本ハムの「21」は、今季で引退した武田久、古くは西崎幸広など主戦投手がつけた番号で、バッターがつけたことはない。少々乱暴な言い方だが、「球団を背負って立つ強打者」の背番号としては拍子抜けだった。なぜ「21」になったのか。11月24日の入団会見で清宮はこう話した。「『ポスト誰々』というのは嫌。自分の色を出したいのでありがたい番号。『21といえば清宮』といっていただけるようになりたい」 清宮だけではない。近年、「過去に名選手が背負ったことのない背番号」を選ぶ新人が増えているという。「かつては名選手の背番号を継承することはステータスだったが、最近の若手にとっては重荷のようだ」 そう語るのは、野球評論家の広澤克実氏だ。現役時代の広澤氏は阪神に移籍した際、「ミスター・タイガース」と呼ばれた掛布雅之氏の「31」を受け継いでいる。「今の若手は他人と比べられることを極端に嫌う。そのためか、イチローの『51』、松井秀喜の『55』のように、自分の実力で背番号を有名にしていきたい思いが強いようです。僕も阪神に入団したとき、“31は掛布というイメージを払拭してほしい”と球団にいわれましたが、そのせいで甲子園のファンからブーイングを受けて大変だった。気持ちはよくわかります」(同前) イチロー、松井の出現以降、50番台に新たな「憧れの背番号」が生まれている。「広島・鈴木誠也や今季新人王の中日・京田陽太が『51』、オリックスのT-岡田や西武・秋山翔吾が『55』をつけるなど、野手の番号は“若いからいい”という時代ではなくなった。清宮も『21』を、『51』や『55』のようにしたいと望んでいるのかもしれない」(デイリースポーツ元編集局長の平井隆司氏) とはいえ、出世魚のように番号を“若く”変えていく文化も根強く残っている。2015~2016年に2年連続トリプルスリーを達成したヤクルトの山田哲人は、2016年に若松勉、池山隆寛、青木宣親ら歴代の好打者が背負った「1」を継承(それまでは「23」)。同じくトリプルスリー経験者のソフトバンク・柳田悠岐も2015年に「44」から小久保裕紀らがつけた「9」に変更した。 ちなみに2000本安打の歴代達成者55人のうち、入団時の背番号が50以上だった選手は12人。しかし達成時まで背番号を変えずにいたのはイチローと松井だけだ。※週刊ポスト2017年12月15日号
2017.12.04 16:00
週刊ポスト
DeNA筒香嘉智「僕はコツコツやる練習が苦にならない」
DeNA筒香嘉智「僕はコツコツやる練習が苦にならない」
「自分はプロ野球選手なので、シーズンが終わった時に、それが良かろうが悪かろうが、自分の成績に責任を取らなければなりません。でも、個人の成績より大切なことがある。それは優勝するためにチームが勝つこと。僕はそこにしか興味はありません」 しゃべり方は謙虚だが、言葉の端々に自信が溢れ出す。昨季、セ・リーグの二冠王(本塁打・打点)に輝いた横浜DeNAベイスターズの主砲・筒香嘉智(25)。今年3月のWBCで侍JAPANの4番打者も務めた彼が、現役日本人最強打者であることに異論を挟む野球ファンはいないだろう。「調子のいい時も悪い時も、僕は常に“もっと良くなろう”と考えている。だから二冠王になった時も、そこまでメチャクチャ嬉しいという感覚はなかった。タイトルを獲ることよりも、自分がもっと野球が上手くなることの方に興味があったからです」 現役最強打者は、何を考えながら、どんな精神状態でプレーしているのか。打席での集中の仕方などを聞きたくて、どんなイメージを持って投手と相対するのか質問した時、興味深い答えが返ってきた。「普段よく使われる“集中する”という言葉は、本当の意味がはき違えられていると思う。自分の視野や精神を一点に凝縮させている状態を指すような意味で使われますけど、それは集中ではなく、ただ入り込んでいるだけ。広い視野ですべてを捉えること。それが本当の意味での集中している状態だと思います」 筒香が、少年時代から松井秀喜に憧れていたことは有名な話だが、実はその松井も現役当時、「試合全体で集中しているので、打席の中だけ集中するという意味がよくわからない」という感覚を持ってプレーしていたそうだ。「何かをイメージする段階は、試合前のバッティング練習や、ピッチャーの映像をチェックする時に終わっています。だから、試合に入れば状況に応じて自分の頭を整理して打席に向かうだけ。打席に入って打ち方がああだこうだと考えていたら、打てるものも打てなくなってしまう。そういう感覚です」 身体が無意識で反応できるようにならなければ、試合で使える技術とは言えない。そして、それを身につけるためには「繰り返すしかない」という。「反復練習が辛いか? そんなことはありませんよ。僕は飲んだらすぐに効く特効薬のようなものは好みませんから。長く続けて、少しずつ上達することによって深い部分で自分のものになる。ちょっとやって、パッとできるようになっても、浅い部分でやったことにしかならない。だから、僕はコツコツやる練習が苦にならないんです」 不器用だからこそ謙虚になれる。だから繰り返し練習できて、自分の身になる。これは侍JAPAN前監督の小久保裕紀が現役時代に貫いた練習スタイルでもある。「勝つ喜びを感じること。ファンの方の声援の中でプレーすること。それが野球をやっていて楽しい瞬間ですね。ファンの皆さんがいなかったら、僕たちは試合をする価値がないですし。これだけ毎試合スタンドを埋めてもらって、僕らベイスターズの選手たちは本当にやりがいがあると思っています」 先ほどの松井や小久保をはじめ、イチロー、金本知憲、青木宣親、井口資仁、城島健司……これまで何人もの名選手の話を聞いてきた。野球に対する考え方はそれぞれだったが、自己鍛錬へのストイックさ、勝利のためにプレーするプライド、ファンへの想いは共通していた。それは好打者を超えた大打者の佇まいと言ってもいいだろう。25歳の筒香にも既に、彼らと同じような風格を感じる。 歴代の強打者たちに肩を並べつつある彼が、今後目指す打者像とは──。「その答えは……わかりません。現役を引退して野球を終えるころ、自分が一人の人間として、どういう考えに至っているのかは定かではありませんけど、現時点では単純に野球が上手くなりたいという思いが一番強いですね」 若き主砲は、どれほどの高みに上っていくのか。歴代最強打者への道のりは始まったばかりだ。【PROFILE】つつごう・よしとも/1991年11月26日生まれ、和歌山県出身。横浜高卒業後、2010年ドラフト1位で横浜に入団。1年目から頭角を現わし、二軍の本塁打王と打点王の二冠を獲得。翌2011年にも二軍の本塁打王を獲得した。同年夏頃から一軍に定着して中軸打者として活躍。2012年には日本代表に招集される。2016年には44本塁打、110打点という好成績を残して二冠を獲得。2017年、WBC日本代表の4番打者を務めた。●撮影/スエイシナオヨシ 取材・文/田中周治※週刊ポスト2017年9月15日号
2017.09.08 07:00
週刊ポスト
長嶋巨人、堀内巨人、由伸巨人、史上最弱のジャイアンツは?
長嶋巨人、堀内巨人、由伸巨人、史上最弱のジャイアンツは?
 巨人の83年間に及ぶ歴史の中で「最弱」と呼ばれているのは、球団史上唯一の最下位に沈んだ1975年の長嶋巨人。1974年にゲーム差なしの2位でV10を逃がした川上哲治監督が勇退し、現役を引退したばかりの長嶋茂雄氏が監督に就任した1年目だった。 当然、V奪還が期待されたが、開幕6試合目で最下位に転落。そのまま一度も浮上することなく“独走”し、終了時の勝率は球団史上最悪の3割8分2厘。首位広島に27ゲーム差をつけられた。 劣らず負け続けたのが2005年の堀内巨人だった。最下位は逃れたが、球団史上最多の80敗を喫し、シーズン後に堀内恒夫監督は契約期間を1年残して退任した。 そんな“2弱巨人”に肩を並べようとしているのが、今シーズンの由伸巨人である。勝率4割4分6厘(交流戦終了時点。以下同)で4位ながら、シーズン折り返し前で首位広島とのゲーム差は11.5。このペースで行くと20ゲーム以上の差をつけられる。 では、仮にこの3チームが戦ったとしたら、“最弱”はどのチームか──。●攻撃力では由伸巨人が長嶋巨人より下 チーム打率が最も低いのは、2割3分6厘の1975年長嶋巨人。スタメンには柴田勲、土井正三、淡口憲治、王貞治ら錚々たる面々が並ぶが、『巨人V9 50年目の真実』(小学館)の著者・鵜飼克郎氏はこう語る。「1975年は王が故障で出遅れ、柴田勲、土井正三らV9戦士もすでに全盛時の力はなく、打撃力ダウンは歴然でした」「コンコルド打法」で知られ、1975年最弱期の主力だった淡口憲治氏が振り返る。「V9時代はONがいるのが当たり前だったが、その年は長嶋さんが抜け、序盤は王(貞治)さんも不在で打順が定着しなかった。僕も1度だけ4番を任されたことがあるほど駒不足だったんです(苦笑)。特に誤算だったのはジョンソン。バリバリのメジャーリーガーとして鳴り物入りで入団したのに、スライダーが苦手で三振ばかり。“ジョン損”なんて呼ばれていた」 1975年長嶋時代、主なスタメンの打率を見ると、柴田が.262で本塁打10本、土井が.264で7本、淡口は.293に12本、王でも.285と33本、ジョンソンは.197で13本しか打たなかった。 2005年はすでに松井秀喜がメジャーに移籍した後だったが、ローズ、小久保裕紀、高橋由伸が中軸を担い、下位に清原和博や阿部慎之助が座る超豪華打線。本塁打数にしてもローズが27本、小久保が34本、阿部が26本であり、チーム打率も2割6分とまずまずだったが、主力の故障が相次いだうえに、打線には“内側”からヒビが入っていた。「堀内監督が清原を7番に降格したところ、本塁打を打ってベンチに戻った清原がハイタッチを拒否する事件が起きた。 また、新外国人(キャプラー)の加入で自分のポジションが奪われると感じたローズが“ジャイアンツ・ファック!”と放送禁止用語を連発してチームを批判するなど、不協和音が絶えなかった」(スポーツ紙記者) さて、由伸巨人は打率2割4分3厘と何とか1975年を上回っているが、「プロ野球が昔に比べて“打高投低”傾向にあることを考慮すると1975年より打率は低い」(巨人番記者)という見方もある。深刻なのは長打力だ。本塁打数チームトップの阿部慎之助でさえ10本で、その阿部は怪我で前半戦は絶望的。他の主なスタメンをみると、長野久義が2本、坂本勇人は8本、マギーが7本で、陽岱鋼が1本と寂しい限りだ。 V9戦士で、1975年に一軍守備・コーチ補佐を務めていた黒江透修氏が語る。「ミスターの1年目は“V9の出涸らし”といわれたほど大幅に戦力ダウンしていたが、今の高橋巨人の問題は戦力がダウンしたわけではなく、無駄な戦力が多いことです。例えばマギーを獲ったことで村田(修一)を使う機会を失い、若手の岡本(和真)らが入り込むチャンスもない。しかも高橋巨人は野球が下手。ヒットエンドランがほとんどなく、作戦がバント一辺倒だが、そのバントも下手なんだからどうしようもない。高橋は“野球は選手がやるもの”といったそうだけど、冗談じゃないですよ」 トレードで日本ハムに放出した大田泰示(27)の本塁打量産を、複雑な思いで見ているファンも多いはずだ。●防御面では堀内巨人の完敗! 由伸巨人の防御率はセ・リーグ3位(3.53)と、決して悪くはない。1975年は現役で、2005年は投手コーチで辛酸を嘗めた関本四十四氏が話す。「菅野(智之)、マイコラスは安定しており、田口(麗斗)も調子がいい。特に先発陣は頑張っていると思う」 7勝している菅野の防御率は2.50、5勝の田口は2.10、6勝のマイコラスは2.64だ。1975年も今季と同程度の防御率だったが、前出・淡口氏はこう明かす。「今だから言いますがあの時は正直、投手交代に難があった。ピッチャーはボールが先行すると“逃げるな”といってすぐに交代させられた。これでは良い成績は残せませんよ。バッターも“来た球を打て”と長嶋監督からアドバイスされて困ってました(苦笑)」 防御面で“最弱”なのが2005年だ。指揮官はV9時代のエース・堀内監督だったが、防御率4.80は球団史上最悪。主な先発投手陣の防御率は上原浩治の3.31、高橋尚成が4.47、11勝した工藤公康でも4.70で、桑田真澄は7.25で0勝7敗だった。前出・関本氏がその内情を語る。「僕は二軍コーチでしたが、クローザーで獲得したミセリが開幕1か月で退団。エース・上原の故障やリリーフ陣の駒不足などもあり、投手陣は壊滅状態でした」 入団時に「50セーブしたい」と豪語したミセリは4月17日のヤクルト戦前に、二軍降格を説得する首脳陣と衝突。二軍に落とせない契約だったため、ミセリは「解雇してみろ」とばかりに首を斬るポーズを見せて首脳陣を挑発。その2日後に退団が発表されるというドタバタ劇を引き起こした。打撃陣同様、ベンチ、フロントの内ゲバが“投壊”の原因となってしまった。●1点差負け12球団ワースト 打では2017年由伸巨人がワースト、投では2005年堀内巨人が最低、1975年長嶋巨人は両方で“次点”と、総合力では甲乙、いや丙丁つけがたい結果となった。 前出の淡口氏は、「1975年は弱かったが、終盤に練習しまくって翌年は優勝した。長嶋監督はベンチの裏でヤカンを蹴ってボコボコにするほど喜怒哀楽を出し、選手を鼓舞したが、由伸監督は感情を出さない。選手は怒ってくれた方がやりやすい面がある」 と、由伸監督の今後の変化を促す。前出の関本氏はこう語る。「戦力は3時代ともに過渡期にあり、安定していない。あとは監督の差だが、1点差負けは監督の責任と言われます。今年は開幕から1点差ゲームはリーグ戦で5勝13敗。交流戦では1勝4敗と12球団ワースト。この成績をどう判断するかです」 やはりこれからの采配次第では、由伸巨人の評価が変わってくるとの見方だ。すべての時代を知る巨人ファンはどう見ているのか。落語家のヨネスケ氏が言う。「長嶋さんの時は逆転負けが多くて、試合が始まるとヒヤヒヤして飯が喉を通らなくなるから、試合前に飯を食っていました。僕は弱い巨人にも慣れています。今年は補強した選手が交互にケガをしたりして、本来の戦力が整っていない。今はクライマックスシリーズ(CS)がある。3位に這い上がればいいから、ファンも選手も気がラクです」 反転攻勢する前にシーズンが終わらないことを願うばかりだ。※週刊ポスト2017年7月7日号
2017.06.26 16:00
週刊ポスト
来季はかつての大物助っ人がコーチに?
村田修一は広澤、江藤に続く巨人FA入団の犠牲者か
 今ひとつ波に乗り切れず、一進一退の状態が続いている今季の巨人。オフには、2013年に楽天を日本一に導いた強打者ケーシー・マギーを日本に呼び戻し、2012年パ・リーグMVPの吉川光夫をトレードで獲得。DeNAから山口俊、日本ハムから陽岱鋼、ソフトバンクから森福允彦と史上初となるFA選手を3人も手に入れ、「30億円補強」と騒がれた。高橋由伸監督が2年目となる今季、優勝が至上命題となっているが、補強選手が機能しているとは言い難い。 山口と陽はケガで一軍にすら昇格しておらず、森福と吉川は二軍落ちを経験するなど調子を取り戻せていない。マギーは三塁のレギュラーに定着し、安定した成績を残しているが、そのぶん同じポジションで昨年のチームの本塁打王、打点王である村田修一がベンチに追いやられる異常事態になっている。野球担当記者が話す。「4番ばかりを取り続けた1990年代後半の長嶋茂雄監督時代に舞い戻ってしまった感があります。38歳の阿部慎之助が年間を通して活躍できないという見通しの上でのマギーの補強だったと思われますが、これでは村田は腐るだけ。入団以来、ずっとレギュラーを張り続けた選手がたまに使われるだけではペースが掴めず、調子は上がってこない。若手にはさらにチャンスがなくなりますし、悪循環に陥るだけです」 補強はチームに足りないところを補うものだが、巨人は余剰人員を抱えるだけになってしまった。「今年と同じく『30億円補強』の見出しが躍った1997年を思い出しますね。1996年の後半戦、日本シリーズで大森剛が大活躍。ドラフト1位の大砲候補がようやく開花するかと思われました。実際、一塁のレギュラーだった落合博満は1997年に43歳を迎え、大森は落合と勝負するチャンスが到来するはずでした。しかし、清原和博がFAで入団。それに伴い、落合は退団。 それだけならまだしも、一塁、三塁を守る、近鉄から打点王も獲得したことのある石井浩郎もトレードで入ってきた。1995年にヤクルトからFAで来た広澤克実も一塁を守れる。結局、大森は1997年の開幕戦に『6番・ライト』で先発出場したものの、4月のスタメンはそれを含めて3試合のみ。結局、開花することなく、翌年近鉄に移籍し、1999年限りで引退しました。石井も広沢も、試合に出たり出なかったりする巨人では、以前のような成績は残せませんでした」 2000年代に入っても同じことが起こっている。「2000年に広島からFA移籍した江藤智も村田と同じような目に遭いました。2004年、同じ三塁の小久保裕紀がダイエーからトレード移籍し、ポジションを奪われた。江藤はまだ34歳と老け込む年齢でもなかった。結局、39歳で引退したが、2004年以降2ケタ本塁打を記録することはなかった。巨人でなかったら、もっと成績が残せていたかもしれません」 江藤は2002年、2003年と2年連続で20本塁打を割り、徐々に衰えを指摘されていた時期でもあった。だが、村田は昨年のチーム2冠王で、3割も打った。そんな選手がレギュラーから外されてしまう状況では、若手も台頭してくる余地などないと感じるかもしれない。巨人はまた、同じ過ちを繰り返そうとしているのだろうか。
2017.05.26 16:00
NEWSポストセブン
侍JAPAN新監督 本命・原、稲葉に古田、星野や中畑の名も
侍JAPAN新監督 本命・原、稲葉に古田、星野や中畑の名も
 すでに退任を公言している侍ジャパン・小久保裕紀監督の後任人事をめぐって、熱い火花が散っている。スポーツ紙記者の話。「次のWBC監督は2020年の東京五輪監督を兼ねる可能性が高い。金メダル奪取が至上命題なので監督としての手腕が求められるのはもちろんだが、マスコミからは話題性のある人気者が望まれている」 実力・人気を兼ね備え、現在のところ最右翼なのが原辰徳氏(58)だ。「巨人の監督としてリーグ優勝7回、日本一3回、2009年のWBC優勝と実績は申し分ない。だが、原氏も安請け合いして輝かしい戦績に傷を付けたくはないでしょう。メジャー組の参加など条件が揃わなければ前向きに交渉してくれないのではという見方もある」(同前) 他に名前が挙がっているのは、小久保ジャパンで打撃コーチを務めた稲葉篤紀氏(44)と、2006~2007年にヤクルトの監督を務めた古田敦也氏(51)だ。「どちらも就任に意欲的だと見られている。古田は日本代表の視察に頻繁に来ており、稲葉は現場での熱心な指導で選手たちの信頼も厚かった。打撃コーチから監督への“内部昇格”もあるかも、と囁かれている」(同前) 話題性・人気面では、すでにスポーツ紙で報じられた松井秀喜氏(42)やイチロー(43)なら申し分ないが、「監督としての経験不足は否めないうえ、待遇面での交渉がネック」(同前) そんななか、「我こそは」と意欲を示すのが、代表監督経験はありつつも“世界一”には辿り着けなかったベテランたちだという。「星野仙一氏(70)は北京五輪でメダルを逃しているだけに、リベンジに燃えているようです」(NPB記者) 自ら“やる気”を口にしたのが、2004年のアテネ五輪の際に脳梗塞で倒れた長嶋茂雄氏に代わってチームを率いた中畑清氏(63)である。「2月末に行なわれたトークショーで『(侍ジャパン監督就任はいつか、と聞かれて)あとちょっとかな』と冗談まじりに話していたけど、実はかなり本気。アテネ五輪は銅メダルに終わり、プロ野球監督としても優勝経験がないので、一花咲かせたいはず」(同前) 楽天での監督経験がある、野球評論家の田尾安志氏に誰が適任かを聞いた。「現役監督は自分のチームのことで精一杯。監督経験者が日本代表を率いるのが妥当でしょう。WBC監督は『勝って当然、負ければ叩かれる』というプレッシャーに強くなければつとまらない。そういう点では、代表監督経験がある原さんや中畑さんが適任。この2人なら、プライドが高い代表選手たちを率いられるはず」 悲願の金メダルをたぐり寄せるのは誰か。※週刊ポスト2017年4月14日号
2017.04.05 16:00
週刊ポスト
小久保裕紀監督が「新しい奥さん」と呼ぶ土屋太鳳似美女
小久保裕紀監督が「新しい奥さん」と呼ぶ土屋太鳳似美女
 WBCで快進撃を見せた今でこそ賞賛を浴びているが、小久保裕紀監督(45)は常にバッシングの中で苦しい闘いを強いられていた。「経験不足」「采配ミス連発」──批判の矢面に立つ孤独な彼を支えていたのは、ひとりの女性の存在だった。地元・博多では、小久保はその女性を「新しい奥さん」と紹介しているという。◆「新しい奥さんです」 平日の昼間ながら平均視聴率は20%超、国民が熱狂したWBC準決勝・アメリカ戦の3日後のことだった。大健闘の侍ジャパンを率いた小久保監督の姿は福岡にあった。 3月25日の夕方、福岡市内にある魚料理が評判の居酒屋の前に1台のタクシーが停まった。まず車から降りたのは、ロングヘアーをなびかせた30代とおぼしき女性。女優・土屋太鳳似の美女で、ライトブルーのブラウスに春物のコートを羽織り、スカートにピンヒールを合わせ颯爽とした雰囲気だ。 彼女に続いて小久保が支払いを終えて姿を見せた。ルーズなパンツとダウンベストにニット帽というラフなスタイル。WBCの重圧から解放されたためか、リラックスした雰囲気が伝わってくる。 車外で待っていた女性に小久保が親しげに声をかけると、女性はコクリとうなずく。そして女性は小久保を先に行かせ、2、3歩下がって続く。その様子は、長年連れ添った夫婦のようだ。そのまま、2人は店内へと入っていった。 店内には多くのプロ野球選手のサインが並んでいる。ソフトバンク選手御用達の店のようだ。居合わせた客が語る。「小久保さんがふらりと現われたので驚きました。2人は店の奥にある、人目につきにくい席に座りました。小久保さんは常連らしく、店員と親しく話していました。女性のことを『新しい奥さんです』と紹介していた」 この女性こそ、いま小久保の私生活を支えているAさんだ。 この日、2人は店オススメの魚料理に舌鼓を打ち、およそ3時間滞在した。小久保の表情はWBC中とは違って笑顔にあふれていた。◆「彼女」から「妻」へ 1994年にダイエー(現ソフトバンク)に入団した小久保は1995年オフに、4歳年上の女性と24歳で結婚。その後、一男一女を授かるも、2008年に離婚している。「離婚当時、福岡の地方テレビ局の女子アナとの交際が報じられ、“不倫略奪愛”と騒がれた。後に小久保さんは自伝で『週刊誌にでたらめな記事が載った』と不倫を否定したが、気配りができてモテるため、その後も女性の噂は絶えなかった」(球界関係者) 婚姻中、小久保は試合がない日のチーム練習には、当時小学生だった長男を連れてくるほど子煩悩な父親だった。が、離婚後、子供は前妻が引き取ることとなり、以降はひとり暮らし。2012年の現役引退セレモニーにも息子や娘の姿はなかった。 引退翌年の2013年に侍ジャパンの監督に就任。しかし、監督はおろか指導経験もなかったため、手腕を不安視する声は絶えなかった。 批判が最高潮に達したのが2015年11月に開かれた国際大会「プレミア12」だ。同大会の準決勝・韓国戦で8回裏まで3対0とリードしながら、継投ミスを重ねて逆転負けを喫した。「勝たないといけない中での継投の難しさは感じていた。僕の責任」 と小久保は真っ赤な目で語った。スポーツ紙の論調も“監督失格”に傾いていく。「最悪継投ミス」「代表監督を解任すべき」 まさに四面楚歌となった小久保の前に現われたのがAさんだった。小久保の知人が語る。「プレミア12直後の2015年暮れに博多の繁華街で小久保さんにバッタリ会ったとき、Aさんを紹介されました。まだ付き合い始めのようで、『俺の彼女です』と紹介してくれました。批判の嵐にさらされていた小久保さんに癒しを与えたのが彼女だったのでしょう」 前述した通り、現在は周囲にAさんを「妻」として紹介している。いつしかAさんは「彼女」から「妻」に格上げされたようだ。◆町内会費もAさんが支払い 今年、WBCを目前にして、メジャーリーガー投手の不在、大谷翔平の辞退、強化試合での惨敗と不安要素が続出。本誌も開幕前は「予選ラウンド敗退」「WBC“最弱”」と掲げたように、様々なメディアが侍ジャパンの苦戦を予想した。 だが、蓋を開けてみると、日本での第1、第2ラウンドでは破竹の6連勝。 2次ラウンドのキューバ戦で絶好調の小林誠司(27)に代打・内川聖一(34)を送って勝ち越し点をあげるなど、采配も冴えまくった。それでも大会期間中、指揮官は寿命が縮むような重圧に襲われ続けた。「負ければ後がない大会で1点を争うギリギリの試合ばかりでしたから、小久保さんの疲労は相当だったはず。顔も徐々に痩せ、2週間で白髪も一気に増えました」(同前) そんな中でも日本ラウンドを突破し、侍ジャパンは米国に飛ぶ。メジャー球団との練習試合を経てWBC準決勝でアメリカに惜敗する結果を迎えたのは周知の通りだが、小久保が米国に滞在している約1週間、福岡市内の自宅には灯りが点いていた。その間、Aさんはずっと留守番をしていた。「小久保さんとAさんはすでに福岡市内の小久保さんの自宅で同棲しています。町内会の会費をAさんが支払うなど、近所の住民は彼女を“奥さん”だと認識している人も少なくない」(近所の住民)◆もう命を削るのはちょっと 3月22日にアメリカに敗れた侍ジャパンは翌23日に帰国。この日、小久保は成田空港から都内ホテルに移動し記者会見を開いた。3日後の26日には『HERO’S』(フジテレビ系)への生出演も決定していたため、しばらくは東京に滞在すると思われたが、翌24日、小久保はAさんが待つ福岡へと戻った。そして翌25日、Aさんを連れ立って居酒屋を訪れたのが冒頭のシーンである。 世間からバッシングを浴び続けた自分を支えてくれたAさんに一刻も早く感謝の思いを伝えたかったのかもしれない。 前述した帰国後の記者会見で、小久保は今大会をもって契約満了で監督を退任する意向を表明。生出演した『HERO’S』でも「20年の東京五輪まで侍ジャパンの監督を続けてほしい」といったファンの声が届けられたが、小久保は吹っ切れた表情でこう語った。「もう、命を削るのはちょっと。今回は本当にいい経験をさせてもらった。これがひとつの区切りです」 WBCの大健闘で高まる「続投」の声を自ら断ち切ったのだった。「今度は侍ジャパンのためでなく、支えてくれたAさんのために時間を使いたいという思いなのでしょう」(前出・小久保の知人) 小久保にとって、Aさんはどんな存在なのか。所属事務所に話を聞いた。「プライベートは本人に任せているので、お答えできない」(担当者)「五輪監督の名誉」よりも小久保が望んだ、Aさんとの穏やかな日々。それは逆風を浴び続けた約3年間を常に支えてくれたことに対する感謝なのかもしれない。※週刊ポスト2017年4月14日号
2017.04.02 16:00
週刊ポスト
お花見幹事の仕事(写真:アフロ)
6連勝の小久保監督に「お花見幹事の心得」を学ぶ
 侍ジャパンの小久保裕紀監督の株が急上昇だ。大人力コラムニストの石原壮一郎氏はそこに「お花見幹事」の仕事力を学ぶ。 * * * 予想以上の盛り上がりだし、予想以上の快進撃です。第4回ワールド・ベースボール・クラッシックで、侍ジャパンは1次、2次ラウンドを負けなしの6連勝で通過。米国時間21日(日本時間22日午前10時)に、アメリカ・ロスアンゼルスで準決勝に挑みます。 壮行試合で負け越してしまったこともあり、大会前の小久保監督の評価はさんざんでした。しかし、今は絶賛の嵐が巻き起こっています。手の平を返すとはまさにこのこと。まあ、いわゆる「野球通」のみなさんは批判や文句が大好物なので、侍ジャパンの優勝を願いつつも、もし負けたらあれこれ言ってやろうと手ぐすね引いていることでしょう。 WBCの決勝ラウンドも楽しみですが、そろそろシーズンを迎えるお花見も楽しみです。侍ジャパンの監督もお花見の幹事も、メンバーの気持ちをひとつにまとめて、グイグイ引っ張っていくのが役割という点では同じ。今をときめく小久保監督の采配や生き方から、お花見の幹事の心得を学んでみましょう。 野球の試合もお花見も、筋書きのないドラマです。どの回はどの投手で、どこで誰を代打に出してなんて計画したところで、ぜんぜん思い通りにはいきません。小久保監督の采配は、選手の起用方法に一貫性がない、思い付きでやっているように見えるという声もあります。しかし、今までの試合ではそれがいい結果を生みました。 お花見も、ビールやおつまみが途中で足りなくなったり、人数が集まり過ぎてスペースが手狭になったりなど、不測の事態の連続です。「ビールはあるだけで我慢してほかの酒を飲め」「人数に合わせて場所取りしてるんだから、急に来るな」などと、あらかじめ決めたとおりに進めようとしたら、たちまちギクシャクした雰囲気になるでしょう。 キューバ戦で打撃好調の小林を引っ込めて内川を代打に送ったように、イスラエル戦で千賀をいきなり先発で起用したように、お花見という戦いで見事な勝利を収めるために必要なのは、臨機応変の対処です。話の輪にいまいち入り込めずにいる年長者を呼んで、「ここは君しかいない」とおだてつつ、ビールを買いに走ってもらいましょう。本人もきっと「ここは勝負どころだな」と意気に感じて、いい働きをしてくれるはずです。 また小久保監督は、2月に行なわれた宮崎での強化合宿で「全員が納得することはあり得ない。そういう中で最後の勝利だけが、みんなを救える」と語ったとか。お花見もしかり。誰もが話したい相手とじっくり話せて、ほどよく酔っ払い、桜もじっくり満喫できるなんてことはあり得ません。よく知らない相手と無理に話を合わせたり、飲み過ぎたヤツにからまれたり、肝心の桜が見づらい位置に座る羽目になったりという事態が付きものです。 小久保監督を見習って、お花見の場での幹事も「全員が納得することはあり得ない」と腹をくくって、デンと構えましょう。多少の不公平や不満そうな様子は見て見ないフリして、とにかく全体が「何となく盛り上がっているような雰囲気」になるように持っていくのが、幹事のもっとも大切な役割です。終わり良ければすべて良し。撤収のときに大きな声で「いやあ、楽しかった!」と発すれば、きっと何人かは同意してくれて、参加者のあいだに「ああ、いいお花見だった」という気運が広がるでしょう。 見て見ないフリをするといっても、参加者のことを気にかけないという意味ではありません。チームの中心となっている中田は、小久保監督が3月11日の全体ミーティングで、いきなり「今日は菊池の誕生日。おめでとう」と手を叩いたことに深く感動したとか。「周りを思わない人が監督だったら、誰も付いていかない」とも言っています。 お花見の幹事も、その日や近い日が誕生日の人を調べておいて、いきなり全員に乾杯を呼びかけるぐらいのことはしたいところ。差し入れのお酒を開けたり料理を配ったりするときは、「○○さんが買ってきてくれたお酒です!」「○○さん手作りのローストビーフです!」などと宣言しましょう。節目節目で「ちゃんと気づかっている」というイメージを漂わせることができたら、あとは流れにまかせておけば問題ありません。 ただ、どれだけ事前に心の準備をしても、お花見の成否を左右するのは、結局のところ当日のお天気です。野球だって、監督がどれだけ事前にがんばっても、選手の調子や勝負の運はフタを開けてみるまでわかりません。しかし、どうなったにせよすべての責任を背負わざるを得ないのが、監督や幹事の宿命です。 お花見当日、やたら寒かったり風が強かったりして参加者に不満そうな顔をされたら、「申し訳ない! すべて俺の責任だ」と頭を下げまくりましょう。べつに幹事のせいじゃないのはみんなわかっているので、激しく責める人はいないし、むしろ「なんてよくできた人だ」と尊敬を集めることができます。そこは日本代表チームの監督とは事情が違いますが、こっそり「日本代表チームの監督気分」を味わうのもオツなもの。 そんな感じで、WBC決勝ラウンドの応援もお花見も、大いに楽しみましょう。侍ジャパンが見事に優勝してくれたら、今年の桜は一段ときれいに見えるだろうし、もし残念な結果だったとしても、散りゆく桜と重ねながら味わい深い花見酒が飲めます。スポーツも桜も、つくづくありがたいですね。
2017.03.20 16:00
NEWSポストセブン
妄想チーム「落ち武者ジャパン」外野に糸井嘉男、T.ローズら
妄想チーム「落ち武者ジャパン」外野に糸井嘉男、T.ローズら
 熱戦が繰り広げられているWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)だが、今回の侍ジャパンは真面目でおとなしい。しかし、かつての日本プロ野球界には、「侍」の名に相応しい無頼たちがゴロゴロしていた。国際大会のような大舞台では、修羅場をくぐってきた彼らの方が頼もしいだろう。そんな選手たちを集めてチーム「落ち武者ジャパン」を想定した。スポーツ紙記者や球界OBからは、内野では清原和博(元・西武、巨人ほか)や中村紀洋(元・近鉄、中日ほか)など、腕っぷしが強そうで豪胆な頼もしいメンバー候補の名前が挙がった。 外野陣も逸材が揃う。今年から阪神に加入した超人・糸井嘉男は、侍ジャパンに選ばれていないほうが不思議という声もあるが、ここはぜひ落ち武者ジャパンで存分に活躍してほしい。 NPB初の「6年連続打率3割・20盗塁・ゴールデングラブ賞受賞」を達成するなど驚異的な身体能力を誇る糸井だが、球界では“宇宙人”として知られる。プロ入り5年目まで「右中間」を知らなかった。視力が1.5にもかかわらずレーシック手術を受けて2.0まで上がった──など数々の“伝説”を持つ。野球通で知られる漫画家のやくみつる氏が言う。「彼はもはや“地球外生命体”です。彼にとって国同士の戦いとか国籍がどうこうとかは些末なこと。緊張せず、普段通りのプレーをしてくれるでしょう」 さらに外野にはタフィ・ローズ(元・近鉄ほか)を入れてはどうか。日本国籍はないが、日本語はペラペラ。WBCでは母国語を話せない代表選手も珍しくないのだから、ローズは十分な日本代表有資格者だろう。 NPB在籍13年間で本塁打王4回、打点王3回の輝かしい実績に加え、退場処分14回という日本記録の持ち主でもある。乱闘時の切り込み隊長として、ローズの活躍に期待したい。 こんなメンバーを束ねるのは、いくら何でも小久保裕紀監督では荷が重い。コーチ陣もコワモテが必要だろう。野球評論家の江本孟紀氏が言う。「投手コーチは東尾修(元・西武)がいい。与死球165は、ダントツの歴代1位。たまにわざとぶつけてましたからね。国際試合では闘争心がモノを言う。東尾に戦う心を叩き込んでもらうのです」 打撃・走塁コーチは柴田勲(元・巨人)という声も。通算579盗塁のセリーグ記録保持者で、2000本安打も達成。打力と脚力を兼ね備えた、巨人V9時代の不動のリードオフマンだった。 柴田を“落ち武者コーチ”に推すある球界OBに理由を訊ねると、「古い野球ファンならわかるハズだから、あえて言わないよ」とケムに巻かれてしまったが……。 最後に最も責任重大な監督。江本氏は闘将・星野仙一(元・中日)を推薦した。「小久保監督はいつも陰気臭い顔をしているけど、星野さんは闘志を前面に出して選手と一緒に闘う。中日の監督時代、岩本(好広)、小松崎(善久)らを“乱闘要員”としてベンチに入れていたほど。監督には星野さんが最適でしょう」 前出のやく氏も賛成だ。「星野さんが選手への“鉄拳制裁”をわざと見せつければ、相手チームはビビります。米国や中米の社会には鉄拳文化はありませんから理解に苦しむはず。いい年した大人たちがボコボコに殴られながら試合に挑む事態に相手が飲まれてしまえば、こっちのもんです」 星野監督率いる“落ち武者”たちが世界で暴れる姿を見たかったような、世界に見せてはいけないような……。※週刊ポスト2017年3月24・31日号
2017.03.14 07:00
週刊ポスト

トピックス

紺色のお召し物だった紀子さま
紀子さま、悠仁さまに「悪夢の再来」 宮内庁17cm包丁送付事件、同封便箋には皇族批判
女性セブン
京都の街を歩く舞妓のイメージ(写真/イメージマート)
元舞妓の告発に有名歌舞伎役者たちが大慌て 関係が露見すれば廃業は必至か
女性セブン
逮捕された「RYO&YUU」
「バレないように森の中で」公然わいせつ逮捕「RYO&YUU」が語っていた野外動画撮影の“対策” 実際には公園、海岸でも裸に
NEWSポストセブン
よくぞ言った!江口のりこがぶっちゃけたテレビのタブー「番宣出演は意味がない」
よくぞ言った!江口のりこがぶっちゃけたテレビのタブー「番宣出演は意味がない」
NEWSポストセブン
ゴルフをする女性芸能人が増えている(左は小島、右は鷲見。ともに本人のインスタより)
タイトなウェア姿を投稿しまくりの小島瑠璃子と鷲見玲奈「ゴルフ女子」枠巡る熾烈な戦い
NEWSポストセブン
ポスト和久田麻由子アナに浮上 「元東大ミスコン」堀菜保子アナ(27)の“大きな武器”
ポスト和久田麻由子アナに浮上 「元東大ミスコン」堀菜保子アナ(27)の“大きな武器”
NEWSポストセブン
TBS・安住紳一郎アナウンサーの魅力の源は?(時事通信フォト)
「定年までTBSに」先輩・吉川美代子アナが期待する安住紳一郎アナのこれから
週刊ポスト
結婚を発表し、お相手を「建築会社」とした滝沢。「一般男性」とは言っていない
滝沢カレン結婚!「テラハ」出演“肉食系”ハーフモデルのどこに惹かれたのか
NEWSポストセブン
眞子さまの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室圭さんの妻・眞子さん 華やかだった4年前の「箱根・女子旅ファッション」
NEWSポストセブン
逮捕された「RYO&YUU」
公然わいせつ逮捕「RYO&YUU」、性的動画アップは「親公認」だった 22歳の女は愛知・香嵐渓で全裸に
NEWSポストセブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン
高橋真麻
高橋真麻「おでんの卵8個食べても太らない」女性が憧れる美スタイルの理由
NEWSポストセブン