国内

維新政治塾に箝口令 「勝手にメディア出たら公選されない」

 民主党の前原誠司・政調会長は維新の会の下に集う者たちを「橋下ベイビーズ」と揶揄した。学級崩壊状態の民主党に言われたくはないが、維新の会がどういった候補者で選挙を戦うのかはたしかに気になる。彼らは当選して議員になった時、橋下氏が掲げる政策を国会で実現できるのか。

 * * *
 今後、維新の会が衆院選候補者の公募を進めるにあたって注目されるのが維新政治塾の塾生たちだ。この塾生888人の実名リストを『週刊ポスト』がスクープし話題を呼んだが、リストには地方議員たちに加え、弁護士や公認会計士、与野党国会議員の秘書経験者、元ファッションモデルで“美人すぎる市議”として話題になった伊藤良夏・大阪市議の実母、さらにはバラエティ番組『恋のから騒ぎ』(日テレ系)に出演経験のある元タレントで現・放送作家の名前まであった。

 地方議員レベルの動きがある一方、気になるのはこうした「その他大勢」の塾生たちだが、皆一様に口を噤(つぐ)む。判で押したように、「取材は維新の会の事務局を通してほしい」と答えるのみだった。母が塾生で、自身の衆院選出馬が噂される伊藤市議にも取材を申し込んだが、同様の対応であった。

 維新の会事務局に聞くと、「関係者が発言するとその言葉や内容が独り歩きしてしまうので、今はマスコミの取材は受けないよう伝えてある」とするが、仮にも国政選挙で公職に就こうとするのならば「党に止められているので何も喋れません」ではあまりに情けない。ある塾生は匿名を条件にこう語った。

「リストの流出以降、箝口令が敷かれている状態です。『メディアに出たら、その時点で公募で選ばれなくなると思ったほうがいい』という話も聞く。そもそも塾に入る際に我々は『誓約書』を書かされていて、〈維新政治塾運営委員の指示、決定に従う〉という項目が入っていますから、取材にはなかなかお答えできない……」

 ちなみに誓約書の文言は入塾者に配布された塾生カードの裏面にも明記され、厳守が求められている。饒舌に語る一部と、沈黙を強いられるその他大勢そんな構図が浮かび上がってきた。

 数合わせの駒にされそうな候補者たちが本当に〈指示、決定に従う〉のであれば、民主党のようにマニフェストを守るかで内紛は起きないのかもしれないが、ただただ親分に賛成するだけの国会議員ばかりになるのも考えものだ。

※SAPIO2012年10月3・10日号

トピックス

大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン
イセ食品グループ創業者で元会長の伊勢彦信氏
《小室圭さんに私の裁判弁護を依頼します》眞子さんの“後見人”イセ食品元会長が告白、夫妻のアパートで食事した際に気になった「夫としての資質」
週刊ポスト
ブラジルの元バスケットボール選手が殺人未遂の疑いで逮捕された(SNSより、左は削除済み)
《35秒で61回殴打》ブラジル・元プロバスケ選手がエレベーターで恋人女性を絶え間なく殴り続け、顔面変形の大ケガを負わせる【防犯カメラが捉えた一部始終】
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
《ルフィ事件》「腕を切り落とせ」恐怖の制裁証言も…「藤田は今村のビジネスを全部奪おうとしていた」「小島は組織のナンバー2だった」指示役らの裁判での“攻防戦”
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月12日、撮影/横田紋子)
《麗しのロイヤルブルー》雅子さま、ファッションで示した現地への“敬意” 専門家が絶賛「ロイヤルファミリーとしての矜持を感じた」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ツアーに本格復帰しているものの…(左から小林夢果、川崎春花、阿部未悠/時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫》川崎春花、小林夢果、阿部未悠のプロ3人にゴルフの成績で “明暗” 「禊を済ませた川崎が苦戦しているのに…」の声も
週刊ポスト
三原じゅん子氏に浮上した暴力団関係者との交遊疑惑(写真/共同通信社)
《党内からも退陣要求噴出》窮地の石破首相が恐れる閣僚スキャンダル 三原じゅん子・こども政策担当相に暴力団関係者との“交遊疑惑”発覚
週刊ポスト
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
【「報道特集」での発言を直撃取材】TBS山本恵里伽アナが見せた“異変” 記者の間では「神対応の人」と話題
NEWSポストセブン