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教育ジャーナリスト 「教員増が不登校・いじめに効果あり」

9月7日、文部科学省は2013年度から17年度までの5年間で小中学校の全学年で35人学級を実現するため、教職員を増やす定数改善計画案を発表した。5年間の増員総数は2万7800人で、このうち1万9800人を35人学級の導入に、8千人をいじめ問題などの教育課題の対応に充てる。初年度の増員数は5500人で、13年度予算の概算要求に必要額119億円を盛り込むという。

東京都教育委員会(以下「都教委」)は、教員増が小・中学校への進学直後に急激な環境変化になじめず、不登校やいじめなど学校生活面での不適応を起こしてしまう「中1ギャップ」や「小1プロブレム」の予防や解決に効果があるとする。

都教委の調査によると、教員を加配した中学校では、問題行動・特別活動・学習状況・集団行動などほとんどの項目で、非加配校に比べて望ましい変化が見られたとのこと。

これについてベネッセ教育情報サイトに寄稿する教育ジャーナリストの渡辺敦司氏は、特に「全般的な生活指導上の問題行動が減少した」「全般的な基本的生活習慣が定着した」、また「教員との関係」や「家庭との連携」が改善したとする回答が目立って多くなっていることが非常に大きな変化だったと報告する。

学校の教育現場事情について、都内の補習塾講師は「学校になじめず、高校を中退する子が塾に来るケースは増えています。先生も一人ひとりを見ている余裕はないのかなとも思うんですが…」と語る。

個別の学習対応もする補習塾は学校に比べて少人数なため、講師の目は行き届くが、

「塾で友だちに会うのを楽しみにする子もいますね。ただ、やはり生活の基本は学校。学校行事や部活動などを通して学ぶことも多いはずです。とはいえ、学校の先生に、子どもの状態を全て気がつくようにというのは難しい。家庭での様子、学校での様子など、周囲の大人全員が注意する必要があると思っています。

もちろん、学校で不適応だったからといって、すべての環境に不適応というわけではありません。ウチのような補習塾は、そのときの“逃げ場”として使ってもらえればいいと思っています」

少子化で子どもは減っているにもかかわらず、より一層「大人の目」の重要性が議論される今、教育の「場」のあり方が問われている。

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