ライフ

「過ぎた紫外線対策は健康上大きな問題がある」と専門家指摘

 過ぎた紫外線対策は脳にも体にも問題だという。『ホンマでっか!?TV』でお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が脳科学の視点で分析する。以下は澤口氏の解説だ。

 * * *
 この時期になっても「紫外線」、イコール「シミ」を気にして、日光を浴びないようにしている女性が多いようです。が、過ぎた紫外線対策は、健康上大きな問題があります。

 それは、ビタミンD(正確にはD3)の合成が不足してしまう可能性です。ビタミンDは食べ物からでも摂取できますが、紫外線(特に波長が短いUV-B)によって皮膚で合成されます。

 多量の紫外線を浴びることは皮膚がんのリスク要因となるので、日光が強い地域に暮らす人たちの皮膚は、紫外線から肌を守るメラニン色素により、黒くなります。そして逆に緯度が高く日照時間が短い地域の人ほど皮膚の色は淡くなることがわかっています。これは、体のメラニン色素を少なくして、紫外線によるビタミンD合成を促すためです。

 ビタミンD不足が問題になるのは、紫外線量が少なくなる晩秋から冬にかけてと思われがちですが、実は、夏場でもかなり問題です。

 現代の人々の生活スタイルは、狩猟や畑仕事で食糧を得ていた時代に比べると、夏でも日光を浴びていません。子供たちも外で遊び回りません。そして、日焼け止め剤の普及もあり、ビタミンDが不足している人が増えている傾向にあります。

 北半球の多くの国々で死亡率がもっとも低いのは9月ですが、これは、夏休みの過ごし方と深い関係があります。夏休みのバケーションで日光をたくさん浴びてビタミンDの合成が促進された人たちは、健康で死亡率が低くなるのです。

 さらに、ビタミンDが多い人ほど判断力などの脳機能が高いこともわかっています。認知機能の低下や認知症の発症を防ぐため、その治療にビタミンDを役立てる研究が進められているほどです。

 ちなみにビタミンDを比較的多く摂取できる食材は、鮭のような脂肪分の多い魚、卵黄、きのこ類などです。

 シミ予防だけに気をとられるのではなく、自分の健康のために、ビタミンDの効用を知り、できるだけ適度な日光を浴びるように心がけていただきたいと願います。

※女性セブン2012年10月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン