ビジネス

消費税増税 2013年秋時点の政権が了承しなければ実現しない

 2014年から消費税率が8%に引き上げられる見通しとなった。時を同じくして、復興増税や社会保険料の引き上げなど国民の負担増が相次ぐため、日本経済の先行きは暗い、と経済アナリスト・森永卓郎氏は分析する。では、このシナリオが覆ることはあり得ないのか。以下、森永氏の分析だ。

 * * *
 別のシナリオも考えられなくはありません。消費税増税は、実際の引き上げの6か月前のタイミングで、断行するかどうかを決定することになっているのです。まずは8%への引き上げが予定されている2014年4月の6か月前、2013年秋の段階で、時の政権が実施のスイッチを押すかどうかにかかっているわけです。

 逆にいえば、2013年秋の時点での政権が了承しなければ、消費税は上げられないのです。そこで、私は、民主党の小沢一郎グループと橋下徹・大阪市長率いる大阪維新の会、みんなの党、減税日本などが「第三極」として手を組めば、政権を奪取する可能性がある。そうなれば、消費増税は阻止されるというシナリオを描きました。

 しかし、今やそのシナリオも実現は望み薄となりつつあります。小沢グループは民主党を飛び出して、新たな政党をつくりましたが、選挙支援母体である「連合」に見捨てられ、資金源も選挙基盤も失ってしまっています。橋下大阪市長も、脱原発の姿勢がブレたことにより、一時の勢いを失っています。

 こうした情勢から、「第三極」ができたとしても政権奪取の可能性は非常に小さくなったと考えています。小沢グループを除いた民主党と自民党、公明党が消費増税で手を組んだことから、2013年秋の時点で誰が総理大臣の座についているかはわかりませんが、現状では消費増税推進派の政権により、増税スイッチが押される可能性は極めて高くなっていると思います。

※マネーポスト2012年秋号

関連記事

トピックス

イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
川崎春花
【トリプルボギー不倫の余波】日本女子プロ2022年覇者の川崎春花が予選落ち 不倫騒動後は調子が上向かず、今季はトップ10入り1試合のみ「マイナスばかりの関係だった」の評価も
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
「中野駅前大盆踊り大会」前夜祭でのイベント「ピンク盆踊り
《中野区長が「ピンク盆踊り」に抗議》「マジックミラー号」の前で記念撮影する…“過激”イベントの一部始終
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
『東宝シンデレラ』オーディション出身者の魅力を山田美保子さんが語ります
《第1回グランプリは沢口靖子》浜辺美波、上白石姉妹、長澤まさみ…輝き続ける『東宝シンデレラ』オーディション出身者たちは「強さも兼ね備えている」
女性セブン
9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン
川崎春花
【トリプルボギー不倫の余波】日本女子プロ2022年覇者の川崎春花が予選落ち 不倫騒動後は調子が上向かず、今季はトップ10入り1試合のみ「マイナスばかりの関係だった」の評価も
NEWSポストセブン