iPS細胞からつくった心筋細胞を重症の心臓病患者に移植したと主張した後、そのほとんどが虚偽であることを認めた森口尚史氏(48才)。千葉県市川市の自宅周辺ではこんな話が聞こえてくる。
「2年ほど前でしょうか、“東大医学部の教授になりました”とか、“ノーベル賞候補になったので、スウェーデンに行ったんです”とか言ってましたね」(近隣住民)
「“東大の大学病院で医師をやっています。ハーバード大学の客員教授を務めていた時期もあります”って自己紹介されましたよ」(別の住民)
しかし彼の肩書は教授でも医師でもなく、研究員。もちろん手術をすることもなければ、ノーベル賞候補に名を連ねたこともない。ハーバード大の客員教授だった過去もなく、同大には1か月だけ客員研究員として籍を置いたことがあるだけだった。
ひたすら自分を嘘で塗り固めてきたともいえる森口氏。なぜ、彼はこんなに嘘をつき続けるのか。その理由を、駒沢女子大学教授で心理学者の富田隆氏が解説する。
「嘘をついて自身を誇大化させる人物というのは、認められたいという欲望が人一倍強いが、実績がない人間に多いです。“100mを5秒で走れる”と嘘をつく子供と同じで、理想に向かって努力せずに嘘で人々の羨望を得ようとする。
つまり“幼児性”が強いまま大人になったケースです。医学という専門分野なので、なじみのない一般人にはバレにくい環境だったことも、彼の虚言癖に拍車をかけたのではないでしょうか」
※女性セブン2012年11月1日号