ビジネス

FXトレーダー・羊飼い氏 シストレ挑戦も結果70万円の損失

 FX(外国為替証拠金取引)のカリスマトレーダー・羊飼い氏が、外為市場の旬な話題をウォッチするマネーポスト連載「FXトレンドフォーキャスト」。今回は、話題の「システムトレード」について解説する。

 * * *
 本連載ではこれまで、スプレッドの縮小やバイナリーオプションなどFX業界のニュースや、業者間のサービス競争などについて取り上げてきた。今回は、最近特に人気を集め始めたシステムトレード(以下、シストレ)を紹介したい。もともとFX業者で口座を開けばチャートなどの分析ツールや経済指標などの情報が提供されるが、シストレの口座なら、さらに投資の判断や実行までを代行してもらえるのだ。

 シストレというと、メタトレーダー4(MT4)を連想する人も多いだろう。MT4は、EAと呼ばれる投資プログラムを組み込んで稼働させることで、詳細なチャート表示やオリジナルのテクニカル分析を可能にするほか、自作のプログラムを組み込んだり、自動売買もできる非常に高機能なソフトだ。しかし、MT4を使いこなすにはFXだけでなくITについても高度な知識が要求されるため、初心者にはハードルが高かった。

 そこで、売買タイミングのシグナルを出すタイプ(シグナル型)や、戦略を示してくれるタイプ(売買戦略型)など、機能を絞り、初心者にも使いやすいシストレのサービスが、このところ次々と登場してきた。なかでも注目を集めているのは、投資家自身が投資判断や操作をしなくても自動で取引をしてくれる「自動売買型」サービスだ。

 特に、「ミラートレーダー」というイスラエルのトレーデンシー社が開発したプラットフォームが人気を呼んでおり、国内のFX会社では2012年8月中旬時点で、インヴァスト証券やFXトレード・フィナンシャルなど8社が提供している。

 ミラートレーダーでは、「ストラテジー」と呼ばれる取引プログラムの中から好きなものを選んで投資する仕組みになっている。選んでしまえば後は勝手に取引が実行されるので、ストラテジー選びが勝敗を左右する生命線といえる。

 実は、羊飼いも昨年春に500万円を投じてミラートレーダーを試してみたのだが、一時は200万円の利益をあげたものの最終的には70万円のマイナスとなってしまった。損失を出してしまったこともあり、あまりよい印象は持たなかったのだが、この夏にFX会社の関係者と話をしたところ、今年に入ってミラートレーダーで利益をあげている顧客が急増し、その人気はうなぎのぼりだという。

 羊飼いが初めて挑戦したころはストラテジーの数はまだ少なかったが、現在はFX会社が独自で用意しているものも含めると700以上といわれている。ストラテジーはどれを選んでも無料なので、当然ながら投資家はそのなかから成績の良いものを選んで取引する。

 ストラテジーの開発者には投資家が売買した金額の一定割合が還元されるビジネスモデルになっているので、開発者は少しでも成績を残せるストラテジーを生み出そうとしのぎを削っており、精度はかなり向上しているようだ。

 実際、ストラテジーのなかには好成績を残しているものも多く、インヴァスト証券が公表している月間レポートによると、2012年7月の人気ストラテジーベスト10では、期間中に取引シグナルが出なかった1つを除いた9ストラテジーすべてがプラスの成績を残している。7月は円高基調で推移したため、裁量取引の個人投資家は身動きがとりにくかったかもしれないが、システムトレードの投資家は比較的良い成績を収めていたようだ。

※マネーポスト2012年秋号

関連記事

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン